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時期
1420–1580年
地域
ネーデルラント、ドイツ、フランスなどアルプス以北
本DB収録 14 点

北方ルネサンス

Northern Renaissance

15〜16世紀に、ネーデルラントやドイツなどアルプス以北で展開した美術の総称。油彩による緻密な写実と身近な事物への関心を特徴とし、イタリアのルネサンスと影響を与え合いながら独自の道を歩んだ。

解説OVERVIEW

定義と時代背景

北方ルネサンスは、15〜16世紀にアルプス以北のネーデルラントやドイツ、フランスで展開した美術の総称である。古代の復興を掲げたイタリアのルネサンスに対し、北方ではゴシック以来の伝統の上に、目に見える世界を細かく写しとる新しい絵画が生まれた。15世紀のネーデルラント絵画は「初期フランドル派」とも呼ばれる。ブルゴーニュ公の宮廷と商業都市の富が画家たちを支え、商人や市民も祭壇画や肖像画を注文した。16世紀には版画が広く流通し、宗教改革で教会からの注文が減るなかで、風景画や風俗画が独立した主題として育った。

造形上の特徴

特に目立つのは、油彩による緻密な写実である。ファン・エイクらは、油で溶いた絵具を薄く重ねるグレーズを洗練させ、宝石や金属の輝き、毛織物の質感までを描き分けた。作品の多くはオーク材の板絵である。イタリアの画家が線遠近法と理想的な人体の比例から画面を組み立てたのに対し、北方の画家は事物を一つずつ観察して積み上げる。精密な細部、身近な物に託された意味、高い視点から見下ろす広大な風景が、見分ける手がかりになる。

代表画家と代表作

15世紀のネーデルラントでは、ヤン・ファン・エイクの《ヘントの祭壇画》(1432年)をはじめ、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンやメムリンクらが活躍した。1500年前後にはヒエロニムス・ボスが《快楽の園》で幻想的な世界を描く。16世紀のドイツでは、アルブレヒト・デューラーが版画と自画像で、ハンス・ホルバイン(子)が《大使たち》(1533年)などの肖像画で知られ、ルーカス・クラナッハ(父)はルターの肖像などを描いた。16世紀半ばには、ピーテル・ブリューゲル(父)が《悪女フリート》(1563年)などでボスの幻想を受け継ぎ、やがて農民の暮らしと季節の風景を描いた。

前後の流派との関係

北方ルネサンスは、宮廷を中心に広まった国際ゴシック様式の、細部への愛着と華やかな色彩から生まれた。15世紀には北方の油彩技法と写実がイタリアにも伝わった。反対に16世紀には、デューラーら多くの画家がイタリアで古典的な人体表現を学び、北方マニエリスムも生まれる。16世紀末にネーデルラントが南北に分かれると、写実の伝統は、南ではルーベンスらのフランドル・バロックへ、北ではレンブラントやフェルメールらのオランダ黄金時代の絵画へと受け継がれた。

代表画家ARTISTS

代表作MAJOR WORKS

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