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《ヤマウズラと籠手のある静物》

Totes Rebhuhn mit Eisenhandschuhen und Armbrustbolzen
《ヤマウズラと籠手のある静物》ヤコポ・デ・バルバリ
Wikimedia Commons / アルテ・ピナコテーク / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヤコポ・デ・バルバリ
制作年
1504年
素材
板(リンデン材) / 油絵具
寸法
52 × 42.5 cm
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明るい板壁に打ち込まれた弩の矢に、鎖帷子の袖口のついた鉄の籠手が掛かり、その脇に死んだヤマウズラが吊るされる。右下には、画家の名と年を記した折り畳んだ紙片が留めてある。

概要

《ヤマウズラと籠手のある静物》は、ヴェネツィア出身とされる画家ヤコポ・デ・バルバリが1504年に描いた油彩の板絵で、ミュンヘンのアルテ・ピナコテークが所蔵する。館の記録では、リンデン材の板に描かれ、縦52センチ、横42.5センチ。所蔵番号は5066。館は本作を、静物画とトロンプ・ルイユ(だまし絵)のとりわけ早い例とし、アルブレヒト・デューラーの友人だったこのヴェネツィアの巨匠が、おそらくザクセン選帝侯フリードリヒ賢公のために描いたとしている。ロンドン・ナショナル・ギャラリーも、知られている最も早いトロンプ・ルイユの静物画の一つに数える。

画面の読み解き

画面全体は、木目の見える明るい色の板壁で占められている。上のほうには弩(いしゆみ)の太い矢が斜めに打ち込まれ、そこに一対の鉄の籠手が掛けられている。籠手は、指を覆う板金を重ねた甲と、鎖帷子を編んだ袖口からなり、磨いた鉄が鈍く光る。籠手の左には、灰色の羽に茶色の斑のあるヤマウズラが、頭を上にして脚をだらりと垂らして吊るされている。どれもが板壁に濃い影を落とし、壁の前の浅い空間に本当に物が掛かっているように見える。右下には、折り目のついた小さな紙片が留められ、画家の名「ヤコポ・デ・バルバリ」と1504の年、カドゥケウス(二匹の蛇が巻きつく杖)の印が記されている。館によれば、画家はこの名人芸の作に、折り畳んだ紙片(カルテッリーノ)の上で目立つように署名した。

技法・様式

館が挙げる主題の語には、武器、甲冑、文字、死者、狩り、ヴァニタス(はかなさ)の象徴などがある。狩りの獲物と武具を、まるで壁に掛けた実物のように描く仕掛けは、見る者の目をあざむき、画家の腕前を示すものだった。現実の物をそれ自体のために描いたこの種の絵は、のちに独立した画題として広まる静物画の、最初期の試みの一つである。

来歴

館の記録によれば、本作は1764年からドナウ河畔のノイブルク城にあったことが確かめられ、1804年にノイブルク城からバイエルンの絵画コレクションに入った。現在は、館の部門ではイタリア絵画に分類されている。

意義

大英博物館は、灰色のヤマウズラを描いた1504年の水彩の素描を、ヤコポ・デ・バルバリの作としている。美術史家ポパムは1928年、ハンス・スローンの旧蔵の鳥の画帖の中から、この一枚がほかと違う画家の手になることに気づき、ミュンヘンの本作との比較と、素描のヴェネツィア風の性格からヤコポの作とした。大英博物館は、この素描を本作の準備習作ではなく、それ自体で完成した独立の作品とみる。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、晩年の作とみられる《ハイタカ》を、ヤコポの知られた2点の鳥の絵の一つとしている。大英博物館の解説は、本作を、画家が死んだ獲物を描くことに関心を寄せていた証しとして挙げている。