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時期
1600–1700年
地域
スペイン(セビーリャ、マドリード、バレンシア)、スペイン領ナポリ
本DB収録 12 点

スペイン・バロック絵画

Spanish Baroque painting

17世紀のスペインで展開したバロック絵画。カラヴァッジョに通じる強い明暗と飾らない写実で、対抗改革の信仰心を映す宗教画や宮廷の肖像画、静物画が描かれ、スペイン絵画の黄金時代を築いた。

解説OVERVIEW

定義と時代背景

17世紀のスペインは、国力の衰えが始まる一方で、文学や美術が花開いた「黄金世紀」の後半にあたる。カトリックの対抗改革を担う国として、教会や修道院は信仰心を強く揺さぶる宗教画を求め、王家はマドリードの宮廷に画家を集めた。港町セビーリャは新大陸との貿易で富み、多くの画家を育てた。イタリアで生まれたカラヴァッジョの自然主義は、スペイン領ナポリで活躍したホセ・デ・リベーラらを通じて広まり、スペイン独自の、厳粛で飾らない写実へと結実していく。

造形上の特徴

暗い背景から人物や事物を強い光で浮かび上がらせる明暗の対比と、しわや汚れまで隠さない写実が特徴である。聖人や修道士は理想化されず、同時代の人々の顔で描かれ、見る者にじかに訴えかける。台所の器や食べ物を描くボデゴンと呼ばれる静物画も発達し、ディエゴ・ベラスケスはセビーリャ時代に《卵を料理する老婆》(1618年)を描いた。華やかな装飾より、静けさと厳粛さ、手で触れられるような物の存在感が、見分ける手がかりになる。

代表画家と代表作

ナポリで活躍したリベーラは、激しい明暗で殉教の聖人を描き、《ヤコブの夢》(1639年)では明るい色彩も見せた。セビーリャではフランシスコ・デ・スルバランが修道士の瞑想や簡素な静物を、バルトロメ・エステバン・ムリーリョが甘美な聖母や街の子どもたちを描いた。マドリードの宮廷ではベラスケスが、《バッカスの勝利》(1628〜1629年)、《ブレダの開城》(1635年頃)、《ラス・メニーナス》(1656年)や《アラクネの寓話》(1655〜1660年)で、スペイン絵画の頂点を示した。静物画ではフアン・サンチェス・コタンがよく知られる。

前後の流派との関係

16世紀のスペインでは、トレドのエル・グレコがマニエリスムによる神秘的な宗教画を描いたが、17世紀の画家たちはこれとは対照的な自然主義へ向かった。その源はイタリアのカラヴァッジョにあり、同じ時代のフランドルのルーベンスや、市民の絵画が栄えたオランダ黄金時代の絵画とも並行している。18世紀にはフランスやイタリアの影響が強まるが、ベラスケスの写実はゴヤに受け継がれ、19世紀にはマネら近代の画家たちの手本となった。

代表画家ARTISTS

代表作MAJOR WORKS

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