《ブドウとメロンを食べる子供たち》
- 作者
- バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
- 制作年
- 1645–1650年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 145.9 × 103.6 cm
- 所蔵
- アルテ・ピナコテーク (Inv. 605)
- 時代
- バロック・ロココ
- 流派
- スペイン黄金世紀 / スペイン・バロック絵画
暗い物陰の石に、ぼろをまとった二人の少年が並んで腰かける。左の少年は房ごと持ち上げたブドウを口に運び、右の少年は切ったメロンを頬張りながら、横目で相棒を見る。足もとには果物の籠と、食べ散らかしたメロンの皮。
概要
《ブドウとメロンを食べる子供たち》は、スペインの画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョが1645年頃に描いた油彩の風俗画である。縦145.9センチ、横103.6センチのキャンバスで、ミュンヘンのアルテ・ピナコテークが所蔵する。所蔵館によれば、二人の少年が物陰に座り、熟れた果物をむさぼっている。ムリーリョが描いた宗教を主題としない子どもの絵の中でも最も早い時期の一点で、その多くは今日スペインの外にある。
画面の読み解き
暗い壁の前の石に、二人の少年が並んで腰かける。左の少年は房ごと持ち上げたブドウを仰向いて口へ運び、右の少年は切り分けたメロンを頬張りながら、横目で相棒を見る。日本語版ウィキペディアによれば、シャツは破れ、ズボンの穴から膝がのぞき、はだしの足は黒く汚れているが、二人の表情に暗さはない。黄色く硬い皮の下には果汁をたっぷり含んだ白い果肉が見え、足もとの籠にはみずみずしいブドウが盛られる。床には食べ散らかした皮が落ちている。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、強い明暗の対比には、ベラスケスの厨房画の手本がまだ感じられる。光は左上から少年たちの腕や顔、白いシャツ、果物を照らし、背景の暗がりから浮かび上がらせている。日本語版ウィキペディアは、子どもたちを日常の姿で描く解釈に、イタリア絵画、とくにカラヴァッジョの作品を知っていたことがうかがえるとしている。
来歴
所蔵館によれば、本作はおそらく1698年頃、スペイン領ネーデルラントの総督でもあったバイエルン選帝侯マックス2世エマヌエルがアントウェルペンで手に入れた。所蔵番号は605。日本語版ウィキペディアによれば、こうした子どもの絵がほとんどスペインの外にあることは、セビーリャに住んだフランドルの商人や、北ヨーロッパの画商のために描かれたことを示している。
意義
所蔵館によれば、ムリーリョの子どもの絵は時を経て5点がバイエルン州立絵画コレクションに集まり、ほかに例のない一群をなしている。日本語版ウィキペディアによれば、ペストの流行と経済の危機のなか、セビーリャの路上で物乞いや使い走りをして生きた子どもたちを、画家は飾らずに描いた。後年の甘美な子ども像へとつながる、スペイン・バロック絵画の風俗画の出発点となる作品である。