《乞食の少年》
- 作者
- バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
- 制作年
- 1647–1648年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 134 × 110 cm
- 所蔵
- ルーヴル美術館
- 時代
- バロック・ロココ
- 流派
- スペイン・バロック絵画
窓から差す日の光のなか、ぼろをまとった少年が床に座り、うつむいて服についた虫をとる。足もとにはえびの殻が散らばり、そばには素焼きの壺と、りんごを入れた籠が置かれている。
概要
《乞食の少年》は、スペインの画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョが1647年から1648年頃に描いた油彩画で、パリのルーヴル美術館が所蔵する。館の記録では縦134センチ、横110センチのキャンバスで、所蔵番号はINV 933。日本語版ウィキペディアによれば、《蚤をとる少年》《しらみをとる少年》の題でも知られ、画家が街の子どもを描いた最初の作品とされる。
画面の読み解き
文化省の文化財目録は、窓から差す日の光のなかに、ぼろをまとって座る正面向きの少年と、壺、籠、りんご、えび、そして虫を描いた作品と記している。日本語版ウィキペディアによれば、少年は自分についた虱をとっており、服はぼろぼろで、別の布で継ぎが当てられているように見える。周りには、素焼きの壺、りんごの入った籠、えびの食べかすといった、少年の哀れな暮らしを物語るものが散らばっている。
技法・様式
日本語版ウィキペディアによれば、本作は17世紀のスペインの子どもたちの貧しさに着想を得たもので、カラヴァッジョにならった光と影のキアロスクーロを補いに用いて、孤児となった子どもに焦点を当てている。画家はこの光景を、実際のモデルを使って注意深く写生したに違いないという。ムリーリョ自身が幼くして両親を亡くし、親族に育てられた生い立ちや、たびたび仕事を受けたフランシスコ会の、貧しい人々への共感とのつながりも指摘されている。
来歴
館の来歴によれば、本作は1742年にはすでにパリにあったとみられ、この年、スウェーデンのテッシン伯が本作の写しをストックホルムに持ち帰っている。収集家ルイ・ジャン・ガニャの1769年2月14日の売り立てに、「粗末な身なりの若者が敷物に座り、自分を悩ますものを退治しようとしている」として出た。1782年4月22日のラディ・ド・サント=フォワの売り立てで画商ジャン=バティスト=ピエール・ルブランが買い取り、ルイ16世に売った。1793年のルーヴルの美術館の開館の際には「日なたに座る子ども」の題で展示された。現在はドノン翼の第718室、ムリーリョの部屋に展示されている。
意義
館によれば、本作は19世紀にたいへん人気があり、「しらみの子」とも呼ばれて、多くの画家に写された。1851年6月から1853年末までのあいだだけで、77人の模写がルーヴルに記録されている。ボンヴァン、カルポー、セザンヌ、ファンタン=ラトゥールらも、程度の差はあれ本作から着想を得た。2015年には日本でも、東京の国立新美術館と京都市美術館を巡回した風俗画の展覧会に出品された。