
《自画像》(1650年頃、バレンシア美術館)。画家の自画像とされる
Wikimedia Commons / バレンシア美術館 / Public domain- 生没年
- 1599–1660年
- 国籍
- スペイン王国
- 様式
- スペイン・バロック絵画
ディエゴ・ベラスケス
1599年にセビーリャで生まれ、1660年にマドリードで没したスペインの画家。国王フェリペ4世の宮廷画家として王族や宮廷の人々を描き、光と空気をとらえる自在な筆触でスペイン絵画の頂点を築いた。
略歴BIOGRAPHY
生涯
1599年6月、港町セビーリャで洗礼を受けた。画家フランシスコ・パチェーコに学び、1618年にその娘フアナと結婚する。1623年にマドリードへ出て若い国王フェリペ4世の肖像を描き、宮廷画家となった。以後は宮廷で王族の肖像や王宮を飾る大作を描き、役職も務めた。1629〜1631年と1649〜1651年の2度イタリアを訪れた。1659年にサンティアゴ騎士団員に叙され、翌1660年8月、マドリードで没した。
様式の変遷
セビーリャ時代には、強い明暗と写実で台所や庶民を描くボデゴンを手がけ、《卵を料理する老婆》(1618年)や《セビーリャの水売り》(1620年頃)を残した。宮廷ではルーベンスとの交流、イタリア旅行、王室コレクションのティツィアーノから学び、画面は明るく、筆触は自在になっていく。晩年の《ラス・メニーナス》(1656年)や《アラクネの寓話》では、近くでは粗い筆跡にすぎないものが、離れると光と空気をまとった形として立ち現れる。
代表作
《バッカスの勝利》(1628〜1629年)、《ブレダの開城》(1635年頃)、《ラス・メニーナス》は、いずれもプラド美術館にある。ほかに《インノケンティウス10世の肖像》(1650年、ドーリア・パンフィーリ美術館)、《鏡のヴィーナス》(1647〜1651年、ロンドン・ナショナル・ギャラリー)が知られる。
影響
作品の多くは王宮に秘蔵されたが、1819年にプラド美術館が開館して公開されると、19世紀の画家たちを驚かせた。1865年にマドリードを訪れたマネは、「画家の中の画家」と呼んだ。ゴヤは版画で作品を写し、20世紀にはピカソが《ラス・メニーナス》を58点の連作で描き直した。飾らない写実と自在な筆触は、スペイン・バロック絵画の頂点として近代絵画の手本となった。