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時期
1590–1700年
地域
イタリア(ローマ、ボローニャ、ナポリ、ヴェネツィア)
本DB収録 12 点

イタリア・バロック絵画

Italian Baroque painting

16世紀末のローマとボローニャに始まり、17世紀のイタリア各地で展開した絵画。カラヴァッジョの強い明暗と写実、カラッチ一族の古典的な構成という二つの流れが、対抗改革の教会と貴族の宮殿を劇的な大画面で飾った。

解説OVERVIEW

定義と時代背景

16世紀末のローマは、対抗改革を進める教皇庁のもとで大規模な教会の建設と装飾が続き、各地から画家が集まる美術の中心だった。トリエント公会議以降の教会は、技巧に傾いたマニエリスムに代わって、信者にわかりやすく、心を強く動かす宗教画を求めた。この要請に応えたのが、ボローニャから出たカラッチ一族の古典主義と、ロンバルディア出身のカラヴァッジョの自然主義である。1600年前後にほぼ同時に世に出たこの二つの流れが、以後1世紀にわたるイタリア絵画の方向を決めた。

造形上の特徴

斜めに走る構図、画面の外へあふれ出すような動き、見る者を場面の中に引き込む視点が共通する。カラヴァッジョの系統では、背景を闇に沈めて人物だけを鋭い光で照らすテネブリズムと、しわや汚れまで描く写実が際立つ。カラッチの系統では、ラファエロや古代彫刻に学んだ均整のとれた人体と明るい色彩が受け継がれ、宮殿の天井には建築と絵画の境を消す錯視の大画面が広がった。

代表画家と代表作

カラヴァッジョは、《病めるバッカス》(1595年頃)や《トランプ詐欺師》(1596〜1597年頃)などの半身像で出発し、ローマのサン・ルイジ・デイ・フランチェージ教会のマタイ伝連作(1599〜1600年)と、《聖ペテロの磔刑》(1601年)で名声を得た。アンニーバレ・カラッチはファルネーゼ宮の天井画(1597〜1608年)で古典主義の規範を示した。カラッチ派からはグイド・レーニ、ドメニキーノ、グエルチーノが出て、天井画ではピエトロ・ダ・コルトーナが、ナポリではカラヴァッジョに学んだホセ・デ・リベーラやルーカ・ジョルダーノが活躍した。カラヴァッジョの画法を受け継いだアルテミジア・ジェンティレスキは、《ホロフェルネスの首を斬るユディト》(1613年頃)で、力を合わせて将軍を討つ二人の女を描いた。

前後の流派との関係

直前のマニエリスムを否定する形で始まり、盛期ルネサンスの古典と自然観察への回帰という性格をもつ。その影響はローマに学んだ各国の画家を通じて広まり、スペイン・バロック絵画やオランダ黄金時代の絵画のユトレヒトの画家たち、フランドルのルーベンスに及んだ。18世紀には軽やかなロココへ移り、ヴェネツィアのティエポロがその最後の大装飾画家となる。

代表画家ARTISTS

代表作MAJOR WORKS

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