《キリストの遺体》
- 作者
- アンニーバレ・カラッチ
- 制作年
- 1582年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 70.7 × 88.8 cm
- 所蔵
- シュトゥットガルト州立美術館 (Inv. 2785)
- 時代
- ルネサンス
- 流派
- イタリア・バロック絵画
白い布の上に、死せるキリストが足をこちらに向けて仰向けに横たわる。釘の傷の残る足の裏から、腰布、胸、右奥へ傾いた頭へと、体が奥へ短く縮んで見える。足もとには、茨の冠と釘、それを抜くための鉗子が置かれている。
概要
《キリストの遺体》(独: Der Leichnam Christi mit den Leidenswerkzeugen)は、ボローニャの画家アンニーバレ・カラッチが1582年ごろに描いた油彩の宗教画である。縦70.7センチ、横88.8センチのキャンバスで、ドイツのシュトゥットガルト州立美術館が所蔵する。所蔵館によれば、画家の初期作で、同館の最も重要な収蔵品の一つに数えられる。
画面の読み解き
所蔵館によれば、目を見張るのは遺体の描き方で、釘で貫かれた足の裏から上へと、短縮法で縮めた姿が見る者の前に差し出される。日本語版ウィキペディアによれば、足もとには茨の冠、手と足に打たれた釘、その釘を抜くのに使われた鉗子が置かれている。所蔵館は、キリストの死を嘆く人物を描かず、遺体だけに絞ったことで、作品はかえって聖なる側面、すなわち「キリストの体(コルプス・クリスティ)」に向けられ、聖体(エウカリスティア)の具象化にほかならないものになったとする。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、この構図はアンドレア・マンテーニャの名高い《死せるキリスト》をまぎれもなく思い起こさせる。一方で、カラッチはマンテーニャの作品にある、遺体を嘆く脇の人物を描かなかった。日本語版ウィキペディアによれば、カラッチはマンテーニャの作品を、アルドブランディーニ家の収集で見たと考えられている。
来歴
所蔵館によれば、1967年に宝くじの収益金で購入された。館の文献欄には、フェデリコ・ゼーリによる1954年のローマのスパーダ美術館の目録と、1965年のローマのアントニーナ画廊の競売目録が挙がっている。所蔵番号は2785。
意義
所蔵館は、カラッチをバロック絵画を切り開いた画家の一人とし、本作をその若い時期の重要な一点とする。