《キリストの埋葬》
- 作者
- カラヴァッジョ
- 制作年
- 1600–1604年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 300 × 203 cm
- 所蔵
- バチカン美術館 (絵画館(ピナコテカ)第XII室)
- 時代
- バロック・ロココ
- 流派
- イタリア・バロック絵画
暗闇のなか、ニコデモとヨハネが、力の抜けたキリストの体を石の板の上に横たえようとする。後ろでは聖母とマグダラのマリアがうつむき、もう一人のマリアが両手を天に挙げる。
概要
《キリストの埋葬》は、イタリアの画家カラヴァッジョが1600年から1604年頃に描いた祭壇画で、バチカン美術館の絵画館(ピナコテカ)第XII室に展示されている。館の記録では、カンヴァスに油彩で描かれ、縦300センチ、横203センチ。目録番号は40386。館は本作を、カラヴァッジョの最高傑作の一つとする。館の伊題は「十字架降下」を意味する。
画面の読み解き
館の解説によれば、カラヴァッジョは埋葬や十字架降下を伝統的な形では描かなかった。キリストは墓に納められる瞬間ではなく、聖女たちの見守るなかで、ニコデモとヨハネによって、墓をふさぐことになる塗油の石の上に横たえられようとしている。キリストの体のまわりには、聖母マリア、マグダラのマリア、ヨハネ、ニコデモ、クロパの妻マリアがいて、クロパの妻マリアは両腕と目を天に挙げ、強い劇的な緊張を生んでいる。画面では、暗い背景の前で、人物たちが石の角の上に積み重なるように並び、キリストの右腕は地面へ向かってだらりと垂れている。
技法・様式
館によれば、1592年にローマに来たカラヴァッジョは、主題の扱い方と色や光の使い方で真の芸術の革命を起こした中心人物であり、17世紀の絵画の「写実」の流れのなかで最も重要な人物だった。
来歴
館によれば、本作はジロラモ・ヴィットリーチェが、ローマのサンタ・マリア・イン・ヴァッリチェッラ聖堂(キエーザ・ヌオーヴァ)にある一族の礼拝堂のために注文した。1797年、トレンティーノ条約にもとづいてパリへ運ばれた作品群に含まれ、1817年に返還されたのち、教皇ピウス7世の絵画館の一部となった。2025年には、教皇庁の聖年の公式サイトの発表によれば、大阪・関西万博のイタリア館のなかに設けられた教皇庁のパビリオンで、教皇フランシスコが自ら選んだ作品として、「美は希望をもたらす」を主題に展示された。
意義
教皇庁の発表によれば、本作は、悲劇と復活という文脈のなかで希望のメッセージを伝えるために選ばれた。館は本作を、カラヴァッジョの最高傑作の一つに数えている。