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《羊飼いの礼拝》

The Adoration of the Shepherds
《羊飼いの礼拝》ジョルジョーネ
Wikimedia Commons / ワシントン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョルジョーネ
制作年
1505–1510年
素材
板 / 油絵具
寸法
90.8 × 110.5 cm
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右の暗い洞窟の前で、聖母とヨセフが布の上に寝かせた幼子キリストを拝み、粗末な身なりの羊飼いが二人、身をかがめ、ひざまずく。左には木々と川、遠くの町と青い山並みが明るく広がる。

概要

《羊飼いの礼拝》は、ヴェネツィアの画家ジョルジョーネが1505年から1510年に描いた油彩の板絵で、ワシントン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。館の記録では縦90.8センチ、横110.5センチで、所蔵番号は1939.1.289。サミュエル・H・クレス・コレクションの一点で、館の西館本階の第10室に展示されている。かつての所有者の名から「アレンデールの降誕」と呼ばれ、館によれば、今日ではほぼすべての研究者がジョルジョーネの作と認めている。

画面の読み解き

館の解説によれば、画面は二つに分かれ、右には暗い洞窟、左には明るいヴェネトの風景が広がる。ヨセフと聖母のきらめく衣は暗い背景から浮かび上がり、羊飼いたちのすり切れた服と対照をなしている。画面は深い瞑想の気分に満ちている。身分は低いが品位のある羊飼いたちは、キリストの神性を最初に悟った者たちで、それに応えてひざまずく。聖母とヨセフも礼拝に加わり、場面に親密な雰囲気を与えている。

技法・様式

館によれば、ジョルジョーネはまずジョヴァンニ・ベッリーニのもとで学び、レオナルド・ダ・ヴィンチの影響も受けたとみられる。ティツィアーノとセバスティアーノ・デル・ピオンボは彼の弟子とされる。本作は、たちまちヴェネツィアの画家たちに影響を与えた。館の文献目録には、本作の帰属や田園の風景の意味を論じた研究が多く並び、1988年の「田園風景――ヴェネツィアの遺産」展、2006年から2007年にワシントンとウィーンで開かれた「ベッリーニ、ジョルジョーネ、ティツィアーノとヴェネツィア絵画のルネサンス」展にも出品された。

来歴

館の来歴によれば、本作はローマのフェッシュ枢機卿のコレクションにあり、1845年の売り立てを経て、パリのクローディアス・タラルの手に渡った。1847年にロンドンのクリスティーズで売られ、イングランドのブレットン・ホールのトマス・ウェントワース・ボーモントのために購入された。その後はボーモント家に受け継がれ、初代アレンデール男爵、初代アレンデール子爵、第2代アレンデール子爵へと伝わった。1937年8月に画商デュヴィーン・ブラザーズに売られ、1938年にサミュエル・H・クレス財団が購入し、1939年に館に寄贈された。

意義

館によれば、ジョルジョーネはルネサンスの最も偉大な画家の一人とされ、のちの世代に大きな影響を与えた。しかしその短い生涯の記録は乏しく、1510年のペストの流行のなかで32歳か33歳で亡くなった可能性があり、確実に彼の作とされる絵はわずかしかない。本作は、その数少ない作品の一つである。同じ画家の作品には、《テンペスタ》や《ラウラ》がある。