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《ピンクのドレス》

La Robe rose
《ピンクのドレス》フレデリック・バジール
Wikimedia Commons / オルセー美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フレデリック・バジール
制作年
1864年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
148 × 110 cm
流派
印象派
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ピンクと銀灰色の縞のドレスに黒い前掛けをつけた若い女が、石の塀に腰かけ、こちらに背を向けている。木々のあいだの向こうには、オレンジ色の瓦屋根と鐘楼の村が、傾いた日の光に明るく照らされている。

概要

《ピンクのドレス》(仏: La Robe rose)は、フランスの画家フレデリック・バジールが1864年の夏に描いた油彩画である。縦148センチ、横110センチのキャンバスで、パリのオルセー美術館が所蔵する。モンペリエ近郊にあった一家の領地メリックで、従妹テレーズ・デズールを描いた。のちの印象派につながる、自然の光の中の風景と人物の表現への関心がよく表れている。

画面の読み解き

オルセー美術館の解説によれば、モデルはバジールの従妹の一人テレーズ・デズールで、ピンクと銀灰色の縦縞の簡素なドレスに黒い前掛けをつけている。彼女は領地のテラスで見る者に背を向け、南フランスに特有のオレンジ色の瓦屋根が並ぶカステルノー=ル=レの村を眺める。両脇の木々で遠景を枠取りし、遠くと手前の対比を際立たせる構図は、テオドール・ルソーらバルビゾン派の画家がよく用いた方法である。村の家並みと鐘楼は日を受けて明るく、手前の石の塀と彼女の背は影に沈む。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれ、右下に「F. Bazille」の署名がある。館によれば、準備の素描ではテレーズは伝統的な肖像画のように正面を向いていたが、画家は完成作で後ろ姿を選び、穏やかな満ち足りた気分と共感の空気を生んだ。『ラルース絵画事典』は、バジールがイル=ド=フランスやノルマンディーの湿った空の光よりも、面をくっきりと分け影に色をつける南仏の強い光に敏感だったとする。1869年のサロンで、同じメリックで描いた《村の眺め》を見たベルト・モリゾは、バジールが人物を戸外に置くことに今度は成功したと書いた(戸外制作)。

来歴

館によれば、本作は画家の兄弟マルク・バジールの手元に残り、1923年5月31日付の遺言の追加条項にもとづいて、1924年に国が遺贈を受け入れた。1925年から1929年までリュクサンブール美術館、1929年から1947年までルーヴル美術館、1947年から1986年までジュ・ド・ポーム美術館にあり、1986年にオルセー美術館に移った。所蔵番号はRF 2450。2026年10月時点では展示室に出ていない。

意義

『ラルース絵画事典』は、一家の領地メリックが多くの作品の舞台となったとして、本作を《家族の集い》(1867〜1868年)などと並べて挙げる。バジールはモネやルノワール、シスレーと親しく交わり、1867年には仲間と自分たちの展覧会を開く計画を立てて、1874年の最初の「印象派」展を先取りした。1870年11月に普仏戦争で戦死したため、残る絵は60点ほどにとどまる。