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《プシュケの水浴》

The Bath of Psyche
《プシュケの水浴》フレデリック・レイトン
Wikimedia Commons / テート・ブリテン / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フレデリック・レイトン
制作年
1890年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
189.2 × 62.2 cm
所蔵
テート・ブリテン (N01574)
流派
唯美主義

イオニア式の円柱が立つ大理石の水辺で、裸のプシュケが両腕を上げ、白い薄布を頭の後ろへ引き上げている。足もとには黄色の布と赤茶の壺があり、静かな水面にその姿が逆さに映る。背後の黒い幕の上には青空と白い雲がのぞく。

概要

《プシュケの水浴》は、イギリスの画家フレデリック・レイトンが描き、1890年に発表した油彩の神話画である。縦189.2センチ、横62.2センチのきわめて縦長のキャンバスで、ロンドンのテート・ブリテンが所蔵する。所蔵館によれば、1890年にロイヤル・アカデミーで初めて展示された。

画面の読み解き

所蔵館によれば、プシュケの物語はローマの詩人アプレイウスの『変身物語(黄金のろば)』に由来する。プシュケは愛の神キューピッドの黄金の宮殿に暮らし、キューピッドは正体を明かさないまま毎夜彼女のもとを訪れた。画面は、キューピッドの訪れを前に、水浴のために衣を脱ぐプシュケを描く。彼女はすっかり自分に心を奪われ、そのナルシシズムは、なめらかな水面に映る姿によって強められている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、水浴する女性という主題と精緻な素描は、アングル、とくに《泉》への敬意を示す。両腕を上げて裸身をあらわにするポーズは、レイトンが1859年にナポリで見た古代の彫像、カリピュゴスのヴィーナスに由来する。そびえるイオニア式の円柱と、流れ落ちるプシュケの衣が、画面の縦の伸びを強調する。円柱は額縁にも繰り返され、所蔵館は額縁もレイトンが意匠した可能性があるとする。

来歴

所蔵館によれば、もとは画家ローレンス・アルマ=タデマが、ロンドンのセント・ジョンズ・ウッドの自邸の玄関広間を飾るため、約45人の画家に頼んだ細長い板絵の一枚だった。レイトンの最初の板は縦32インチ、横6.5インチで、本作はその幅のほぼ倍になっている。1890年、チャントリー遺贈基金の評議員から同館に贈られた。所蔵番号はN01574。

意義

所蔵館によれば、キューピッドとプシュケの伝説は19世紀後半の作家や画家にきわめて好まれ、本作はヴィクトリア朝美術の古典復興を代表する。ヴィクトリア朝の観客には物議を醸しかねない主題だったが、初めて展示されたときに道徳上の反発はほとんどなかった。