
ヴァザーリ『芸術家列伝』(1648年版)の肖像版画
Wikimedia Commons / Public domain- 生没年
- 1415–1492年
- 国籍
- フィレンツェ共和国
- 様式
- 初期ルネサンス
ピエロ・デラ・フランチェスカ
15世紀イタリアの画家。冷たく澄んだ色と幾何学的な構図、正確な遠近法による静かな画面で知られる。ウルビーノのモンテフェルトロ家の宮廷に仕え、遠近法の理論書も著した。
略歴BIOGRAPHY
生涯
トスカーナのボルゴ・サンセポルクロに生まれた。生年は、イタリアの百科事典トレッカーニでは1412〜1415年、ウフィツィ美術館では1416/17年とされる。トレッカーニによれば、文法と算術を学んだのち地元の画家のもとで修業したとみられ、1439年にはフィレンツェでドメニコ・ヴェネツィアーノとともに壁画を描いた(現存しない)。1446年から1454年は、その多くをペーザロ、フェッラーラ、リミニ、アンコーナで過ごし、1454年から1457年にアレッツォのサン・フランチェスコ聖堂の壁画《聖十字架伝説》を描いた。1459年にはローマに招かれてヴァチカンの部屋を飾り、1460年以後はウルビーノのモンテフェルトロ家の宮廷と深く結びつく。晩年は故郷に戻り、1492年にそこで没した。
様式
ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、冷たい色調と幾何学的な構図が、洗練された瞑想的な画面をつくる。数学の理論家でもあり、その関心は人物のはっきりした量感と正確な遠近法に表れ、ネーデルラント美術に由来する自然らしさと釣り合っている。トレッカーニは、マザッチョに深く学び、ドメニコ・ヴェネツィアーノの色と光の扱いを、空間を組み立てる要としたとする。
代表作
《ウルビーノ公夫妻像》(1473〜1475年頃、ウフィツィ美術館)のほか、《キリストの洗礼》と《キリストの降誕》(ロンドン・ナショナル・ギャラリー)、《キリストの鞭打ち》(ウルビーノ、マルケ国立美術館)、アレッツォの《聖十字架伝説》が知られる。
影響
遠近法の論考『絵画の遠近法について』をフェデリーコ・ダ・モンテフェルトロに献じた。ロンドン・ナショナル・ギャラリーは、遠近法の論考を書いた最初の画家とする。トレッカーニによれば、正多面体を論じた晩年の著作とともに、画家や数学者に広く重んじられた。伝承ではルカ・シニョレッリを教え、ヴァザーリは晩年に視力を失ったと伝える。