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《キリストの洗礼》

Battesimo di Cristo
《キリストの洗礼》ピエロ・デラ・フランチェスカ
Wikimedia Commons / ロンドン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ピエロ・デラ・フランチェスカ
制作年
1437–1445年
素材
板 / テンペラ
寸法
167 × 116 cm
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胡桃の木の下、浅い流れに立つキリストの頭に、洗礼者ヨハネが小さな器で水を注ぐ。頭上には白い鳩が翼を広げ、左には色とりどりの衣の天使が三人。川の向こうには丘と町の白い壁が続く。

概要

《キリストの洗礼》は、ピエロ・デラ・フランチェスカがおそらく1437年から1445年頃に描いた祭壇画で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。ポプラ材の板に卵のテンペラで描かれ、縦167センチ、横116センチ、上部は半円形をなす。所蔵館によれば、画家の故郷ボルゴ・サンセポルクロにあったサン・ジョヴァンニ・バッティスタ聖堂のために描かれた、現存するピエロの最初期の作品である。

画面の読み解き

浅く曲がりくねった流れに立つキリストの頭に、洗礼者聖ヨハネが小さな鉢で水を注ぐ。所蔵館によれば、このとき神の声が響き、聖霊が鳩の姿で降りた。ピエロは鳩を、画面からこちらへ飛び出してくるように描いている。左では色鮮やかな衣の天使三人が見守り、ばらの冠の天使だけが息をのむ。ヨハネの背後では、次に洗礼を受ける男が衣を脱いでいる。川の曲がり角の先に立つ大きな帽子の小さな人物たちは、東方の三博士を表すのかもしれない。本作と同じころ、ビザンティンのギリシア人が東西教会の合同を話し合う公会議のためにイタリアを訪れており、その帽子は東方の印として絵に取り入れられた。

技法・様式

所蔵館によれば、遠方の水面は木の茂る山々を鏡のように映し、チョークのような卵テンペラの質感と対照をなす。水はキリストの足もとで途切れたように見え、手前には川底の小石がのぞく。数学に通じたピエロは、目に見えない格子を手がかりに人物と事物の位置と大きさを決めた。天使は二本の木の間に、衣を脱ぐ男は遠くの人物とヨハネの間に置かれ、川とともに視線を奥へ導く。鳩、鉢、合わせた両手は一本の縦線に揃い、胡桃の白い幹がキリストの白い肌と呼応してその線を強める。

来歴

所蔵館によれば、本作はもともと三連の祭壇画の中央板で、1460年代のある時期に、同じ土地の画家マッテーオ・ディ・ジョヴァンニが金地の両翼とプレデッラ(祭壇画の下の台座部分)を描き加えた。聖堂は1808年に廃され、祭壇画はサンセポルクロの大聖堂の聖具室に移された。1859年にJ・C・ロビンソンがマシュー・ウツィエッリのために司教と参事会から買い取り、1861年のウツィエッリの売り立てで同館が購入した。現在は第66室に展示され、2024年には同館の展覧会「ホックニーとピエロ」で取り上げられた。

意義

所蔵館によれば、ピエロは遠近法の論考『絵画の遠近法について』を書いた最初の画家で、本作でも事物を正しい比例で描き、風景の奥行きと、人物と自然の調和を際立たせている。谷の景色や胡桃の木、川辺の草花は故郷の土地のもので、町は巡礼者が胡桃の木の下で休んだという伝説から始まったとされる。見る人が、聖なる出来事を自分の土地で起きたこととして思い描けるようにした作品である。