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《麦をふるう女たち》

Les Cribleuses de blé
《麦をふるう女たち》ギュスターヴ・クールベ
Wikimedia Commons / ナント美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ギュスターヴ・クールベ
制作年
1854年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
131 × 167 cm
流派
写実主義
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納屋の床に広げた布の上で、若い女がひざまずき、両腕で大きなふるいを振り上げている。その横では別の女が座って麦粒をより分け、奥では少年が木の選別機の中をのぞき込む。

概要

《麦をふるう女たち》(仏: Les Cribleuses de blé)は、ギュスターヴ・クールベが1854年に描いた油彩画である。縦131センチ、横167センチ。フランス西部のナント美術館が所蔵する。故郷オルナンの農家の納屋で麦の選別にいそしむ二人の女と少年を、等身大に近い大きさで描いた作品で、写実主義の代表作の一つとされる。

画面の読み解き

画面の中央で、赤いワンピースに白い袖の女が床の布の上にひざまずき、こちらに背を向けて、両腕で大きな丸いふるいを振り上げる。ふるいからこぼれた麦粒が布の上に散る。左では灰色の服に白い頭巾の女が麦袋に寄りかかって座り、膝の皿に取った粒から、うつむいて石やごみをより分けている。右奥には唐箕と呼ばれる木製の選別機があり、青い服の少年がその中をのぞき込む。壁際には麦袋が積まれ、床には籠や鉢が置かれる。左上の壁には窓から差す光が格子の影を落とす。左下に署名がある。

技法・様式

人物はおよそ等身大で描かれ、歴史画にふさわしい大画面が、農家の日常の労働に与えられている。背を向けた中央の女の、張った腕と背中の線が画面の軸となり、左の女の沈んだ姿勢と、右の少年のかがんだ姿勢がその両側で釣り合う。色は赤と灰、土の色に絞られ、麦の粒と布の白がそのあいだをつなぐ。美術史家リンダ・ノックリンは、手でより分ける左の女から、ふるいを振る中央の女、機械をのぞく右の少年へと、選別の方法が古いものから新しいものへ並べられていると読んでいる。

来歴

モデルはクールベの妹たちで、ふるいを振るうのがゾエ、座っているのがジュリエットとされる。少年は画家の子デジレ・ビネとみられる。1855年、パリ万国博覧会の美術展に出品された。1861年、ナントの美術愛好家協会の展覧会を通じて市が購入し、市の美術館に収められた。所蔵番号874。

意義

農民の労働を大画面に描くことは、《石割人夫》や《オルナンの埋葬》と同じく、歴史画の大きさを同時代の庶民に与えるというクールベの主張の延長にある。一方で本作には、社会の告発よりも、光の差す納屋の静けさや、腕を振り上げた女の身体の美しさが前に出ている。写実の厳しさと、のちの印象派にも通じる日常の穏やかさとが同じ画面に共存する点で、1850年代のクールベの幅を示す一点である。