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《サン・マルコ広場の行列》

Processione in piazza San Marco
《サン・マルコ広場の行列》ジェンティーレ・ベッリーニ
Wikimedia Commons / アカデミア美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジェンティーレ・ベッリーニ
制作年
1496年
素材
キャンバス / テンペラ
寸法
373 × 745 cm
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白い衣の同信会の会員たちが、金の聖遺物箱を天蓋の下に掲げてサン・マルコ広場を進む。奥には金色のモザイクに輝くサン・マルコ大聖堂がそびえ、広場を大勢の人々が埋める。

概要

《サン・マルコ広場の行列》は、ヴェネツィアの画家ジェンティーレ・ベッリーニが1496年に描いた大きなカンヴァス画で、ヴェネツィアのアカデミア美術館が所蔵する。館の記録では縦373センチ、横745センチのカンヴァスで、目録番号は567、第XX室に展示されている。館によれば、画面には署名と1496年の年記がある。もとはサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ同信会の建物を飾っていた連作の一枚で、19世紀初めにナポレオンの命で多くの宗教施設が廃止されたのに伴い、1820年に館に入った。日本語版ウィキペディアは、カンヴァスにテンペラで描かれたとする。

画面の読み解き

館の解説によれば、画面に描かれているのは、ヴェネツィアの守護聖人である聖マルコの祝日に、毎年サン・マルコ広場で行われた荘厳な行列である。行列は総督の臨席のもと、総督宮殿から出発した。多くの同信会が自らの聖遺物を掲げて祭りに加わり、その中に、聖十字架の聖遺物を携えたサン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ同信会もあった。画面の中央を占めるのは、天蓋に守られてその聖遺物を納めた金色の豪華な聖遺物箱である。そこへ、赤い衣の男がひざまずいて祈り、息子の病が癒えるよう願っている。日本語版ウィキペディアによれば、場面は1444年4月25日の出来事で、ブレシア出身の商人が死にかけた息子の回復を聖遺物に祈り、家に戻ると息子はすっかり治っていた。商人は群衆にまぎれ、天蓋を担ぐ最後の二人のすぐ右にひざまずいている。

技法・様式

館によれば、本作は、聖十字架の聖遺物が起こした奇跡を描いた連作の一枚である。連作は1490年代半ばからおよそ10年をかけて、ラッザロ・バスティアーニ、ヴィットーレ・カルパッチョ、ジョヴァンニ・マンスエーティ、ベネデット・ディアーナと、当時最も重要な物語画家と認められて3点を描き、全体をまとめたジェンティーレによって制作された。連作の最大の特徴は、奇跡の舞台をサン・マルコ広場やリアルト橋のような町を代表する場所に置いたことにあり、館は、奇跡が起きた場所を正確に描くことで、奇跡が本当に起きたと信じさせる効果的な伝え方だったと述べる。日本語版ウィキペディアは、本作の本当の主題は奇跡よりも行列そのもので、とりわけサン・マルコ広場の広がりと、ビザンティン様式の円蓋ときらびやかなモザイクをもつサン・マルコ大聖堂に焦点が当てられているとする。

来歴

館によれば、連作は、かつてコンスタンティノープル総大司教が所有し、1369年にキプロス王国の大書記官フィリップ・ド・メジエールが同信会に寄進した聖十字架の聖遺物を納めていた部屋の壁を飾っていた。描かれた奇跡は、1590年に同信会の長ジャコモ・デ・メルツィが著した小冊子によって読み解かれ、各作品の作者や出来事、制作の年が分かっている。館は2026年9月、Save Venice の支援による6年にわたる修復を終えた本作と、同じ画家の《サン・ロレンツォ橋での聖遺物の奇跡》、カルパッチョの《リアルト橋での聖十字架残骸の奇跡》の3点を、ふたたび公開したと発表した。洗浄によって、色の輝き、遠近の奥行き、ルネサンスのヴェネツィアの細部がよみがえったという。連作の残る5点の修復は、2027年の春から第XX室で、来館者が見学できる形で続けられる。

意義

館は本作を、15世紀末のサン・マルコ大聖堂と広場の姿を伝える、たぐいまれな歴史の証言と呼ぶ。修復の発表でも館は、この連作を、1496年から1500年のヴェネツィアの町と人々、そしていまは失われた建物の姿を、写真のように生き生きと伝える世界に二つとない絵画の連作としている。