
カルロ・リドルフィ『絵画の驚異』に載る、作者不詳の版画の肖像
Wikimedia Commons / Public domain- 生没年
- 1460–1526年
- 国籍
- ヴェネツィア共和国
- 様式
- ヴェネツィア派
ヴィットーレ・カルパッチョ
ヴェネツィアの画家。15世紀末から16世紀初めに、聖ウルスラ伝や聖ゲオルギウス伝など、同信会の集会所を飾る大きな物語画の連作を手がけ、「同信会の画家」と呼ばれる。
略歴BIOGRAPHY
生涯
アカデミア美術館によれば、1460年頃にヴェネツィアに生まれ、1526年6月より前に没した。イタリア人名事典(1977年、F. R. ペゼンティ)は、生年を1455年から1465年の間とし、最初の聖ウルスラの絵に「ヴェネツィアの」と署名していることから、ヴェネツィア生まれとみる。一族の名はスカルパッツァで、「カルパッチョ」は、画家が好んで用いたラテン語の署名「カルパティウス」をイタリア語にした形である。ロンドン・ナショナル・ギャラリーによれば、おそらくラッザロ・バスティアーニに学び、ジョヴァンニ・ベッリーニの影響を確かに受けた。事典によれば、1490年代から1520年頃まで、ヴェネツィアの同信会の注文で次々に連作を描き、晩年にはイストリア半島のカポディストリア(現在のスロヴェニアのコペル)やピラーノのための作品も手がけた。1526年6月の記録の時点ですでに世を去っていたとみられ、1527年の記録は妻ラウラを未亡人と記している。
様式
事典によれば、ヴェネツィアで修業し、アントネッロ・ダ・メッシーナ、ジョヴァンニ・ベッリーニ、アルヴィーゼ・ヴィヴァリーニ、そしてフランドルの作品から影響を受けた。人物のひしめく物語の構図から、ルネサンスの遠近法で整えた画面へと進み、光と色の扱いに新しい試みを示した。アカデミア美術館は、聖ウルスラ伝について、現実の自然な要素とおとぎ話のような雰囲気が混じり合う空間に物語を置いたとする。ヴェネツィアの同時代の画家には珍しく、多くの素描が残る。
代表作
サンタ・オルソラ同信会のための聖ウルスラ伝の連作(1490〜1495年頃、アカデミア美術館)、サン・ジョヴァンニ・エヴァンジェリスタ同信会のための《リアルト橋での聖十字架残骸の奇跡》(1496年、同)、ダルマチア人の同信会サン・ジョルジョ・デッリ・スキアヴォーニのための聖ゲオルギウスと聖ヒエロニムスの連作(1502年頃〜)、《騎士の肖像》(1510年、ティッセン=ボルネミッサ美術館)、《神殿奉献》(1510年、アカデミア美術館)がある。
影響
事典は、カルパッチョを「同信会の画家」と呼ぶ。晩年には助手に頼ることが増え、ジョルジョーネやティツィアーノが台頭する新しい時代の中で、その芸術はおそらく片隅に追いやられたとしている。