《モンフォルテ祭壇画》
崩れかけた建物の石壁の前で、聖母が膝の幼子を両手で支える。手前でヨセフが帽子を取って迎え、老いた王が冠帽を脱いで祈り、若い王は高価な器を掲げて立つ。左奥には村の通りと橋を渡る騎馬の従者が見える。
概要
《モンフォルテ祭壇画》は、ネーデルラントの画家フーゴー・ファン・デル・グースが1470年から1475年頃に描いた、東方三博士の礼拝を主題とする油彩の祭壇画で、ベルリン絵画館が所蔵する。館の記録では、オーク材の板に描かれた画面が縦147.2センチ、横241.4センチで、所蔵番号は1718。名は、伝来したスペイン北部の人里離れたモンフォルテ・デ・レモスの修道院にちなむ。館は、画家の最も早い時期の大きな業績の一つとしている。
画面の読み解き
館の解説によれば、聖母は大きな建物の廃墟の石壁の前に静かな厳粛さで座り、膝の上の裸の幼子を両手でそっと支えて見下ろしている。幼子の目は三博士ではなく、見る者に向けられている。手前にひざまずくヨセフは、右から近づく三博士を帽子を取って迎える。最年長の王は、謙遜のしるしに高価な冠帽を脱いで祈りの姿勢でひざまずき、その前の岩の上には、贈り物である硬貨を満たした杯が置かれる。二人目の王もひざまずき、右手の動きが深い崇敬を示し、そばの小姓が贈り物を差し出す。最も若い王は右に立ち、高価な器を掲げて瞑想するように見入っている。画家は三人の王を年齢で描き分けており、これは14世紀に生まれた、人生の三つの時期がキリストの前に頭を垂れることを示す表現である。右の王の後ろと中央の低い木の柵の向こうには、王たちの従者がさまざまな反応を見せる。遠くには、14世紀のヒルデスハイムのヨハネスの伝説にあるとおり、奇跡を三博士に語り道を示す羊飼いたちが見える。左には村の通りが開け、王たちの騎馬の従者が町の人々の見守るなか橋を渡っていく。
技法・様式
館によれば、この祭壇画はネーデルラント絵画に新しい領域を開いた。体の記念碑的な大きさと内面の偉大さを備えた人物は、まわりの空間に説得力をもって配置され、その志と厳粛さはネーデルラントの美術にとってまったく新しいものだった。人物の荘厳な静けさとまれな記念碑性は、それまでのネーデルラント美術が達したものをはるかに超えている。使命にほとんど気づいていないような幼子と、重い手を組んで祈る最年長の王の威厳との対比ほど、未来の世界の支配者への臣従が感動的に描かれた例はまれだと館は述べる。
来歴
館によれば、本作はもとは大きな三連祭壇画の中央の板だった。豊かに縁取られた古い額の両側には、かつて開閉する翼を吊るした鉄の蝶番が今も残る。のちに両翼が失われ、中央の板も、もとは上の中央が四角く高く突き出していた部分を切り詰められたため、空から舞い降りていた天使たちは衣の裾しか残っていない。写しによれば、翼の内側には、左に降誕、右に割礼が描かれていた。翼を開くと幅はおよそ6メートルに達した。本作は1914年にモンフォルテ・デ・レモスの修道院から館が購入した。多くの写しが残ることは、この構図が模範として認められていたことを示している。
意義
館によれば、本作でファン・デル・グースはすでにその芸術の頂点に達しており、救いの神秘は、構想の偉大さを少しも損なうことなく、敬虔で写実的な物語として表されている。同じ画家の作品には、ウフィツィ美術館の《ポルティナーリ祭壇画》や、ウィーン美術史美術館の《ウィーン二連祭壇画》がある。