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《オンニサンティの聖母》

Maestà di Ognissanti
《オンニサンティの聖母》ジョット・ディ・ボンドーネ
Wikimedia Commons / ウフィツィ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョット・ディ・ボンドーネ
制作年
1300–1305年
素材
板 / テンペラ、金地
寸法
325 × 204 cm
流派
ゴシック
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尖った破風をもつ金地の画面で、ゴシックの天蓋のついた玉座に聖母が堂々と座り、祝福する幼子イエスを膝に支える。足もとでは天使がばらと百合を捧げ、まわりに天使と聖人たちが並ぶ。

概要

《オンニサンティの聖母》(伊: Maestà di Ognissanti)は、ジョット・ディ・ボンドーネが1300年から1305年頃に描いた板絵である。縦325センチ、横204センチの大画面で、フィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵する。館の題は「天使と聖人に囲まれて玉座に座る聖母子(オンニサンティのマエスタ)」。フィレンツェのオンニサンティ聖堂のために描かれた、金地のテンペラによる大きな聖母子像で、所蔵館は、ジョットが最も名声を得ていた時期の作品とする。量感のある人物と奥行きのある空間を伝統的な主題に持ち込んだ、ゴシックの時代のイタリア絵画を代表する一点である。

画面の読み解き

上端が尖った金地の画面の中央で、聖母が玉座に堂々と座り、膝の上の幼子イエスを支える。所蔵館によれば、幼子は右手で祝福を与え、左手には知恵を象徴する巻物を持つ。玉座は色とりどりの大理石で飾られた尖頭形の天蓋をもち、当時流行したゴシック建築を思わせる。玉座の足もとでは二人の天使がひざまずき、純潔と慈愛を表すばらと百合を生けた器を捧げる。その脇に立つ天使たちは、冠と、キリストの受難にかかわるとみられる聖体容器を差し出す。玉座の両側には天使と聖人たちが重なり合うように並び、天蓋の側面の開口部から聖母子を見つめる者もいる。

技法・様式

板にテンペラで描き、背景に金を置いている。所蔵館によれば、ジョットは伝統的な主題に目覚ましい写実を持ち込み、装飾の細部を抑えて、光と陰による人物の立体感を際立たせた。人物の光輪と玉座の建築の枠組みは、画面に空間の奥行きを生むと同時に、本作が注文された聖堂の建築を思い起こさせる。聖母の衣の下には、膝や胸のふくらみが感じられ、人物はそれまでの平らな聖母像とは違う重さをもって玉座に座っている。

来歴

所蔵館によれば、オンニサンティ聖堂の中で本作がどこに置かれていたかはわかっていない。脇祭壇の上か、聖堂を司っていたウミリアーティ会の修道士たちの聖歌隊席と、信徒の空間とを隔てる仕切りの上に掛けられていた可能性がある。所蔵番号は1890年目録の8344番。館の「ジョットとチマブーエ」の展示室A4に展示されている。

意義

所蔵館によれば、この構図は1世紀以上にわたって、フィレンツェの画家たちが霊感を求める手本であり続けた。メトロポリタン美術館は、ジョットの人物は線ではなく量感でとらえられ、その感情は型どおりでなく人間らしいとし、13世紀イタリアの平らな絵画の世界を現実の世界に近いものへ変えた画家として、近代ヨーロッパ絵画の父と呼ぶ。本作は、その変化を大きな祭壇の聖母子像で示している。