クレジット方針 収録範囲について お問い合わせ
作品COLLECTION 画家ARTISTS 流派MOVEMENTS 時代PERIODS 所蔵MUSEUMS 様式史HISTORY 用語集GLOSSARY 検索SEARCH

《首吊りの家、オーヴェール=シュル=オワーズ》

La Maison du pendu, Auvers-sur-Oise
《首吊りの家、オーヴェール=シュル=オワーズ》ポール・セザンヌ
Wikimedia Commons / オルセー美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ポール・セザンヌ
制作年
1873年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
55.5 × 66.3 cm
流派
印象派
広告

冬枯れの木の向こうに、藁葺き屋根の農家が寄り集まる。手前の白い道が坂を下って家々のあいだへ消え、右には土手が大きくせり出す。人影はなく、遠くに丘と村の赤い屋根が見える。

概要

《首吊りの家、オーヴェール=シュル=オワーズ》(仏: La Maison du pendu, Auvers-sur-Oise)は、フランスの画家ポール・セザンヌが1873年に描いた油彩画である。縦55.5センチ、横66.3センチのキャンバスに、パリの北の村オーヴェール=シュル=オワーズの家並みを描いた風景画で、オルセー美術館が所蔵する。翌1874年の第1回印象派展に出品された。

画面の読み解き

館の解説によれば、セザンヌは劇的な主題や文学的な主題を捨て、素朴な、ありふれたとさえいえる主題を選んだ。いくつもの斜めの線と曲線が画面を組み立てている。左に上っていく道、中央へ下る道、右に弧を描く土手、そして傾いた木の枝である。画面の各面は互いに密に接している。人影がなく、植物はわびしく、色調は冷たいため、強い孤独感が生まれている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれ、左下に赤で「P. Cézanne」と署名がある。館によれば、セザンヌはポントワーズやオーヴェール=シュル=オワーズの一帯でしばしば共に制作したカミーユ・ピサロの影響を受け、初期の作品に比べて明るい色と分割した筆触を取り入れた。厚く粒立った絵具は、画面を石工のように「積み上げる」と形容される。館は本作を、セザンヌ個人の性格を帯びた印象派の作品とする。セザンヌ協会監修のカタログ・レゾネは、パレットナイフの使用も記している。

来歴

館によれば、本作は1874年の第1回印象派展に出品されたセザンヌの3点のうちの1点で、展覧会の後にドリア伯爵の収集に入った。国立新美術館の2012年の展覧会の解説によれば、この絵を見て購入したドリア伯がセザンヌの最初の収集家となった。館によれば、のちに伯爵との交換で収集家ヴィクトール・ショケのものとなり、1899年のショケ未亡人の売り立てで、クロード・モネの勧めによりイザック・ド・カモンド伯爵が購入した。1911年に伯爵の遺贈でルーヴル美術館に入り、ジュ・ド・ポーム美術館を経て、1986年にオルセー美術館に移された。所蔵番号はRF 1970。

意義

館によれば、本作は1874年に初めて公開されたとき批評家を当惑させたが、セザンヌが初めて個人の収集家に売ることのできた絵となった。国立新美術館の解説によれば、1889年のパリ万国博覧会では、批評家ロジェ・マルクスがドリア伯所蔵の本作の出品を決めた。カタログ・レゾネによれば、翌1890年にはブリュッセルの20人展にも出品されている。