《ラ・グルヌイエール》
- 作者
- ピエール=オーギュスト・ルノワール
- 制作年
- 1869年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 66.5 × 81 cm
- 所蔵
- スウェーデン国立美術館
- 時代
- 写実・印象派
- 流派
- 印象派
木漏れ日の差すセーヌ川の水辺で、人々が泳ぎ、舟を漕ぎ、帆を上げる。小さな人工の島の木陰には、背広の男たちとクリノリンのドレスの女たちが集まり、川面には光と影が細かな筆触できらめく。
概要
《ラ・グルヌイエール》は、フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールが1869年に描いた油彩の風俗画で、ストックホルムのスウェーデン国立美術館が所蔵する。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦66.5センチ、横81センチ。所蔵番号はNM 2425で、1924年に国立美術館友の会を通じて匿名の寄贈者から館に入った。館は本作を、世界中の展覧会から貸し出しを求められ続ける、館の作品の中でも国際的に最もよく知られたものの一つとしている。
画面の読み解き
館によれば、「蛙の池」を意味するラ・グルヌイエールは、パリの西、ブージヴァルの手前にあった、夏の水浴びや行楽で人気の場所だった。画面では、木の葉を通して日の光が差し込み、セーヌ川の水面にきらめく。人々は泳ぎ、舟を漕ぎ、帆を上げて川をゆく。「カマンベール」あるいは「植木鉢」と呼ばれた小さな人工の島の木陰には、背広の男たちとクリノリンのドレスの女たちが集まって涼んでいる。
技法・様式
館によれば、1869年の夏、ルノワールは友人のクロード・モネと数日をともに過ごし、二人は同じ主題を描いた。目にしたものの主観的な印象を、どちらが早くカンヴァスにとらえられるかを競い合ったのである。ルノワールの絵は、チューブから出したままの色を使った、短く素早い筆触でできている。それは水面のきらめきと反射をとらえた一瞬の印象で、同時代の人々には未完成の、ただのスケッチに見えた。館は、混ぜない色とスケッチのような筆づかいで描かれたこれらの絵が、完全な形での最初の印象派の作品とみなされているとし、今日では印象派の手本だと述べている。
来歴
館の記録によれば、本作は1924年、国立美術館友の会を通じて匿名の寄贈者から館に贈られた。館の解説は、ルノワールが本作を描いたとき、これを芸術と見なす人はほとんどいなかったが、今では館で最もよく知られた作品の一つになっているとしている。2026年の時点で、館の展示室には出ていない。
意義
館によれば、印象派の素早い描き方だけでなく、主題も新しかった。彼らは商業や公共の生活をともなう「現代の生活」を、百貨店やカフェ、公園や劇場を描いた。男性の画家たちは街をあてもなく歩く遊歩者で、パリとその近郊は公の舞台だったが、その舞台は性別と階級によってはっきりと分けられていた。館は、モーパッサンが1880年代の短編「ポールの恋人」で、同じラ・グルヌイエールを、ビールがこぼれ、酔った客と夜の相手を探す女たちでにぎわう騒がしい場所として描いたことを引き、今日ののどかに見える主題が、当時の人々にはまったく違う意味を持っていたと述べる。同じ場所を描いたモネの作品に、メトロポリタン美術館の《ラ・グルヌイエール》がある。