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《カール5世騎馬像》

El emperador Carlos V a caballo, en Mühlberg
《カール5世騎馬像》ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
Wikimedia Commons / プラド美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ティツィアーノ・ヴェチェッリオ
制作年
1548年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
335 × 283 cm
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夕焼けの空の下、甲冑に身を固め、赤い羽根飾りの兜をかぶった皇帝が、長い槍を手に黒い馬を進める。馬には金の房飾りのついた深紅の馬衣が掛けられ、背後には木立と遠くの丘が広がる。

概要

《カール5世騎馬像》(西: El emperador Carlos V a caballo, en Mühlberg)は、ティツィアーノ・ヴェチェッリオが1548年に描いた油彩画である。縦335センチ、横283センチのキャンバスで、マドリードのプラド美術館が所蔵する。所蔵館によれば、1547年4月24日、神聖ローマ皇帝カール5世がミュールベルクでシュマルカルデン同盟に勝利したことを記念する作品で、ティツィアーノが1548年にアウクスブルクで描いた。所蔵館が「真に例外的な作品」と呼ぶ、ヴェネツィア派を代表する騎馬肖像画である。

画面の読み解き

夕焼けの光が雲間に広がる野を、甲冑姿の皇帝が一騎で進む。兜には赤い羽根飾りがつき、胸には赤い飾り帯が斜めに掛かる。右手に握った長い槍は画面を斜めに横切り、黒い馬は前脚を上げて歩を進める。馬の頭にも赤い羽根飾りが揺れ、深紅に金の房のついた馬衣が胴を覆う。左手には濃い木立が茂り、右の奥には丘と木々が青く霞んで、空気遠近法が奥行きをつくる。所蔵館によれば、1857年の目録はこの背景を「夕日の効果のある風景」と記している。戦いの場面そのものは描かれず、勝利した皇帝がただ一人、静かに前を見据えている。

技法・様式

所蔵館によれば、皇帝がまとう甲冑は1545年頃にアウクスブルクの甲冑師デジデリウス・ヘルムシュミットが作ったもので、胸当てには聖母子の像がある。その一部はミュールベルクの戦いで実際に使われ、現在はマドリードの王室武具館に残っている。皇帝は車輪式の拳銃と槍を携える。所蔵館は、この騎馬像の手本として、ローマのカンピドリオの《マルクス・アウレリウス騎馬像》やヴェロッキオの《コッレオーニ騎馬像》といった古代とルネサンスの彫刻、デューラーの版画《騎士と死と悪魔》(1513〜1514年)、ブルクマイアによる皇帝マクシミリアン1世の騎馬像を挙げる。皇帝は、ローマ帝国の伝統を継ぐ者であると同時に、キリストの戦士(ミレス・クリスティアヌス)の化身として表され、槍がその二つを結びつけているという。

来歴

所蔵館によれば、本作は皇帝の妹でネーデルラント総督だったハンガリー王妃マリアが所有し、1558年の彼女の死後の財産目録に記録されている。のちスペイン王室の収集に入り、1700年にはマドリードの王宮アルカサルの「鏡の間」に、1747年から1818年までは新王宮に置かれた。現在はプラド美術館の第27室に展示されている。所蔵番号P000410。

意義

所蔵館は、本作が画期的な作品でありながら、すぐには美術の世界に反響を生まなかったとし、その影響が広がるのは17世紀のルーベンスを待ってからだったとする。所蔵館によれば、ティツィアーノは本作で、ミュールベルクの戦役を宗教戦争ではなく政治の問題として示そうとする皇帝の宣伝の意図に応えた。戦場の混乱を描かず、勝者をただ一人、落ち着いた姿で進ませる構図が、その意図を伝えている。