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《夜のカフェテラス》

Caféterras bij nacht (Place du Forum)
《夜のカフェテラス》フィンセント・ファン・ゴッホ
Wikimedia Commons / クレラー・ミュラー美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フィンセント・ファン・ゴッホ
制作年
1888年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
80.7 × 65.3 cm
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黄色い日よけの下、ガス灯に照らされたカフェのテラスで人々がテーブルを囲む。石畳の道は奥へ延び、両側の家並みは濃い青に沈み、その上の深い青の空に大きな星がいくつも光る。

概要

《夜のカフェテラス》は、オランダ出身の画家フィンセント・ファン・ゴッホが1888年9月に南フランスのアルルで描いた、夜の街角の油彩の風景画で、オランダのオッテルローにあるクレラー・ミュラー美術館が所蔵する。館の記録では、キャンバスに油彩で、制作は1888年9月16日頃、所蔵番号はKM 108.565。館の題は《夜のカフェテラス(フォルム広場)》で、現在も展示されている。館は本作を、美術史で最もよく知られた作品の一つとし、雰囲気のある色彩と、夜の光に照らされた静かな石畳とにぎやかな人々の対比が、何世代もの人々を魅了してきたと述べる。

画面の読み解き

ゴッホ美術館などが編む書簡全集によれば、描かれているのはアルルのフォルム広場にあったグラン・カフェ・デュ・フォルムの歩道のテラスである。ゴッホは妹ウィルに宛てた手紙(1888年9月9日から14日頃)で、この絵を、小さな人物たちが酒を飲むカフェの夜の外観と説明している。大きな黄色いランタンがテラスと店の正面、歩道を照らし、その光は通りの石畳にまで届いて、石畳は紫がかった薔薇色を帯びる。星をちりばめた青い空の下に通りが奥へ延び、家々の切妻は濃い青や紫で、その間に緑の木が立つ。画家はこれを、青と紫と緑だけでできた「黒のない夜の絵」と呼び、その中で照らされた広場は淡い硫黄色とレモンのような緑に見えるとした。

技法・様式

館によれば、ゴッホは以前から夜の絵を描こうと考えていたが、黒と灰色で描く従来のやり方ではなく、色にあふれた夜を求めた。昼と夜では色の見え方が違うため、ガス灯のともるテラスをその場で、暗がりの中で描いたことも型破りだった。最も目を引くのは、日よけの下の暖かい黄・緑・橙と、星空の深い青との鋭い対比で、背景の家々の濃い青がそれをさらに強める。画家は効果に満足し、黄と橙であるガス灯の光があふれると青がいっそう強まると書いている。妹への手紙では、夜にその場で描くのがとても楽しいと述べ、暗がりでは青と緑、薄紫がかった青と薔薇色がかった薄紫を取り違えることもあるが、青白い光の差す従来の黒い夜から逃れられるとしている。

来歴

館によれば、ゴッホはよく観察して描いており、後の天文学の研究で、描かれた星座は1888年9月16日か17日の夜に実際に見えた配置と一致することが確かめられた。書簡全集の注によれば、地元の新聞『ロム・ド・ブロンズ』は9月30日、印象派の画家がガス灯の明かりで町の広場の一つで夜に制作していると伝えた。なお、妹宛ての手紙は館が示す9月16日頃より前の日付をもち、そこですでにこの絵が描かれたことが記されている。

意義

ゴッホは妹への手紙で、モーパッサンの小説『ベラミ』の冒頭に、明かりのともるカフェの並ぶパリの大通りの星月夜が描かれていることに触れ、それが今描いた主題に近いと書いた。書簡全集の注は、その冒頭には星空は出てこないと指摘している。同じ年の9月、ゴッホは室内の夜の情景として《夜のカフェ》を、ローヌ川の夜景として《ローヌ川の星月夜》も描いており、夜の光と色を探る試みはこの時期の大きな関心だった。