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《アニエールの水浴》

Une baignade à Asnières
《アニエールの水浴》ジョルジュ・スーラ
Wikimedia Commons / ロンドン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョルジュ・スーラ
制作年
1884年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
201 × 300 cm
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セーヌ川の草の岸で、男や少年たちが日を浴びて休む。中央では赤い半ズボンの若者が水に足を浸して座り、右では帽子の少年が水の中で両手を口に当てる。川向こうには鉄道橋と工場の煙突が並ぶ。

概要

《アニエールの水浴》(仏: Une baignade à Asnières)は、フランスの画家ジョルジュ・スーラが1884年に描いた油彩画である。縦201センチ、横300センチの大画面で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。所蔵館によれば、画家がまだ25歳にならないうちに仕上げた、最初の大作である。

画面の読み解き

所蔵館によれば、描かれているのはパリ中心部の北西、アニエールとクールブヴォワの橋のあいだのセーヌ川の岸辺で、男や少年たちが日を浴びてくつろいでいる。画面は左上から右下へ斜めに、草の岸と川とに分けられる。中央では、赤っぽい半ズボンの若者が岸に腰を下ろして水に足を浸し、右を向いて肩を落とす。そばには白い上着や茶色の靴、麦わら帽子が脱ぎ置かれる。左手前では、山高帽に白い上着の男が頬杖をついて寝そべり、その背で赤茶色の犬が水のほうを見る。左では、麦わら帽子に袖なしの肌着の男が膝に腕をかけて座り、その奥でも二人がくつろぐ。水の中には、背を向けて肩まで浸かる少年と、右端でオレンジ色の帽子をかぶり、両手を口に当てて呼びかける少年がいる。川には白い帆の舟や、三色旗を掲げた舟が浮かび、後者にはシルクハットの男と日傘の女が乗る。奥では鉄道橋が、並んで架かる道路橋を半ば隠し、その向こうにクリシーのガス工場や工場の煙突が立って、一本が灰色の煙を上げる。所蔵館によれば、人物はみな彫刻のように動かず、横顔を見せたまま、互いにも見る者にも目を向けない。左下に「Seurat」の署名がある。

技法・様式

所蔵館によれば、スーラは印象派と同じような主題や場所に引かれ、同じ色彩理論を用いたが、扱い方はまったく違った。本作は印象派の多くの絵よりはるかに大きく、屋外で一、二度で描かれたのではなく、アトリエで周到に計画して描かれた。現地の油彩の習作と人物のコンテ・クレヨンの素描を重ね、習作13点と素描10点が残る。右端の少年の姿はほら貝を吹くギリシアの水の神トリトンを、単純な形と白い肌はピエロ・デラ・フランチェスカのアレッツォの壁画を思わせる。のちの点描の様式ではまだ描かれていないが、一部はのちにその方法で描き直され、オレンジ色の帽子には黄と青の点が加えられた。水面は、モネやルノワールにならって幅の広い筆で描かれている。

来歴

所蔵館によれば、画家は1884年春の公式のサロンで名を上げるための大作として本作を描いたが、落選した。そこで、新しく結成された独立芸術家協会(アンデパンダン)の展覧会に出品した。1891年に画家が没したあとは遺族のもとにあり、おそらく1900年に批評家フェリックス・フェネオンが手に入れて、1924年頃まで持っていた。同年、ロンドンのインディペンデント・ギャラリーからコートールド基金の理事会が買い、テート・ギャラリーを経て、1961年にナショナル・ギャラリーへ移された。所蔵番号はNG3908で、第44室に展示されている。

意義

所蔵館によれば、帽子や靴、袖なしの肌着といった身なりから、男たちの一部は労働者か下層の中産階級とみられ、働いているのは舟を進める船頭だけである。印象派が描いたブルジョワの余暇とは違う労働者の憩いを、歴史画にふさわしい大画面で描いたことは、芸術の伝統への挑戦だった。次の大作《グランド・ジャット島の日曜日の午後》は同じ川筋を対岸から眺めた作品で、本作の右奥の木立はその島の先端にあたる。