《女とオウム》
- 作者
- ギュスターヴ・クールベ
- 制作年
- 1866年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 129.5 × 195.6 cm
- 所蔵
- メトロポリタン美術館
- 時代
- 写実・印象派
- 流派
- 写実主義
白い布の上に裸の女があおむけに横たわり、長い髪を床に広げている。高く掲げた左手の指には、羽を広げた色鮮やかなオウムがとまる。右奥の暗がりには、鳥の止まり木が立つ。
概要
《女とオウム》(仏: La Femme au perroquet)は、フランスの画家ギュスターヴ・クールベが1866年に描いた油彩画である。縦129.5センチ、横195.6センチのキャンバスで、ニューヨークのメトロポリタン美術館が所蔵する。1866年のサロンに出品された、写実主義の画家による裸婦像である。
画面の読み解き
植物の文様の暗い壁掛けと木々を背に、白い布を敷いた寝台の上で、裸の女があおむけに横たわる。左奥には、ねじれた彫りのある柱がのぞく。頭は画面の左下へのけぞり、波打つ長い髪が、左下へ大きく垂れた白い布の上に広がる。女は目を半ば閉じ、白い歯がのぞくほど口を少し開けて、高く掲げた左手の指に、緑や黄や青の羽を広げたオウムをとまらせている。体は画面の左下から右へ斜めに伸び、右手は腿の上に置かれ、足もとには緑の布が重なる。右奥の暗がりには、横木のついた止まり木が立ち、上に器が載る。右下の暗い床には、青みがかったリボンが落ちている。左下の布の上には、赤い絵具で「66 Gustave. Courbet.」と署名と年記がある。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれ、明るく照らされた体と白い布が、暗い背景から浮かび上がる。女は横たわる裸婦の型をとるが、所蔵館によれば、描かれているのは理想化された裸婦ではなく、特定のありふれた一人の人物である。のぞく歯や乱れた髪の房といった細部、丸みを帯びた肌の色が、体の立体感を強く感じさせる。オウムの羽は、緑や黄や青の色を細かく置き分けて描かれている。
来歴
所蔵館によれば、本作は1866年のサロンに出品され、批評家たちはクールベの「趣味の欠如」や、モデルの「ぶざまな」ポーズ、「乱れた」髪を非難した。一方で反応はさまざまで、フランス政府も一時は買い上げを検討した。のちにアメリカの収集家ルイジーン・ハヴマイヤーが1898年に買い、「反裸体主義者たちが革命を起こさないよう、うちのギャラリーには掛けず、ただアメリカにとどめておくために」夫に購入を頼んだと回想している。1929年、ハヴマイヤー夫人の遺贈で同館に入った。所蔵番号は29.100.57である。
意義
所蔵館によれば、クールベは「25年の闘いを経て、私はなお闘っている。今も、はじめに公の世界をこぞって私に敵対させたのとまったく同じ絵を描いている」と書いた。この挑発的な作品は若い画家たちを引きつけた。マネは同じ年に同じ主題の《1866年の若い女》を描き始め、セザンヌは本作の写真を財布に入れて持ち歩いていたと伝えられる。