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《ソグネフィヨルドの冬》

Vinter ved Sognefjorden
《ソグネフィヨルドの冬》ヨハン・クリスチャン・ダール
Wikimedia Commons / オスロ国立美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヨハン・クリスチャン・ダール
制作年
1827年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
61.9 × 75.8 cm
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雪をかぶった岸辺に、苔むした細長い立石が一本そびえ、先端だけが朝日に染まる。足もとの枯れ枝にはカラスがとまり、静かな水面の向こうには、雪の山々が淡い桃色の空に連なる。

概要

《ソグネフィヨルドの冬》(ノルウェー語: Vinter ved Sognefjorden)は、ノルウェーの画家ヨハン・クリスチャン・ダールが1827年2月に描いた油彩の風景画である。縦61.9センチ、横75.8センチで、オスロ国立美術館が所蔵する。ノルウェー西部、ソグネフィヨルドのほとりに立つ古いバウタ石を、雪の朝の景色の中に描く。

画面の読み解き

所蔵館の解説によれば、画面はノルネスから、フィヨルドの対岸のフィムレイテを望む眺めである。フィムレイテは1184年に王位を争う戦いの舞台となった地として、国民の意識のなかで特別な場所だった。ノルネスにそびえる巨大な立石もまた、英雄の時代を物語るものだった。手前の立石は、水面と前景の斜めの線に向かって、目立つ垂直の線をつくる。雪は過去や死を連想させ、石の先端に当たる朝日は希望の光と解釈されてきた。ソグン・オ・フィヨーラネ地方の郷土史事典『クリンゴム』によれば、ノルネスにはかつて3本の古い記念石があり、ダールはその一つを描いた。石を際立たせるため周りのものを省き、地面の小石とフィヨルド側の茂み、数羽のカラスだけを残している。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、構図はダールが現地で描いた素描にもとづくが、より凝縮されている。山々はいっそう険しくなり、立石が画面の気分を決めている。形と意味のこうした融合は、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒの象徴的な風景画と共通する。ただし同館は、本作が何よりもノルウェーの雄大な自然と、国の誇り高い歴史への讃歌であるとする。

来歴

所蔵館によれば、ダールは1820〜21年のイタリア旅行ののち、ドレスデンに住みついた。1826年、初めてノルウェーを巡る写生旅行に出て、クリスチャニアからテレマルク、ハルダンゲル高原を越えて西部のフィヨルドへ向かい、成熟した画家として初めて南ノルウェーの多様な風景を目にした。本作はその翌年に描かれた。1977年、ベルグリョート・スカマルケンの遺贈で館に入った。所蔵番号は NG.M.03138。現在は第43室「自然の力」に掛かる。

意義

所蔵館によれば、ドレスデンに移ったダールは、ノルウェーの風景をなかば空想で描いていたが、1826年の旅でその見方が変わった。本作は、旅で見た土地にもとづいて描かれた作品の一つである。『クリンゴム』は、19世紀のナショナル・ロマンティシズムの時代に、何人もの画家が古い記念石を画題にしたと記す。