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《ヴィクトリー・ブギウギ》

Victory Boogie Woogie
《ヴィクトリー・ブギウギ》ピート・モンドリアン
Wikimedia Commons / デン・ハーグ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ピート・モンドリアン
制作年
1942–1944年
素材
キャンバス / 油絵具 / 画用木炭 / 粘着テープ / 紙 / 鉛筆
寸法
127.5 × 127.5 cm
所蔵
デン・ハーグ美術館 (オランダ国の所有(文化遺産庁)からの長期貸与)
時代
20世紀
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45度傾けたひし形の画面に、赤、黄、青、灰色の小さな四角が、線のように連なっては交差する。黒い線は一本もなく、ところどころに色のついたテープが貼られたまま残っている。

概要

《ヴィクトリー・ブギウギ》(英: Victory Boogie Woogie)は、ピート・モンドリアンが1942年から1944年にかけてニューヨークで描いた、未完の遺作である。縦横127.5センチのひし形のキャンバスに、油彩のほか、粘着テープ、紙、木炭、鉛筆を用いている。オランダ国の所有で、デン・ハーグ美術館に長く貸し出されている。所蔵館によれば、画家の最後の作品で、同館が持つ世界最大のモンドリアンのコレクションの頂点をなす。

画面の読み解き

正方形のキャンバスを45度傾けたひし形の画面に、白と灰色の地が広がり、赤、黄、青の四角が並ぶ。横と縦には、色の小さな四角が点線のように連なる帯が何本も走って交差し、そのあいだを大小の色面が埋める。大きな四角の中に、別の色の小さな四角が置かれたところもある。所蔵館によれば、画面から黒い線はすべて消えている。色の四角には、絵具の上に色のついたテープや紙を貼ったものもあり、縁には貼りかけのテープが残る。所蔵館によれば、画家が一度で置いたまま変えなかったのは、中央やや右の小さな青い四角だけだという。

技法・様式

所蔵館によれば、画家は、古典的な釣り合いを持つ以前の作品とは違う、自由で非対称な画面を望んだ。ヨーロッパとはまったく違うアメリカのリズム、その一端が聞こえるブギウギの音楽を表そうとし、大都市ニューヨークに重なる、混沌と秩序、大と小、明と暗、速さと遅さ、静と動といった相反するものを一つの画面に描こうとした。友人たちに何度もほぼ完成したと告げながら、次に訪ねてくると全体を描き直していたという。所蔵館とイタリアの研究チームが2006〜2008年に行った調査によれば、大きな色面は早い段階で置かれてそのまま残り、小さな要素はテープを貼り替えて何度も動かされた。青の部分には、7層まで絵具を重ねたところもある。

来歴

所蔵館によれば、画家は戦争の先行きがまったく見えない1942年6月、勝利を信じて、この大きなひし形の絵に取りかかった。1年後も制作は続き、画家は絵を「勝利の絵」「ブギウギの絵」「ダイヤモンド」などと呼んでいた。1944年1月23日、病をおして制作し、その夜から、多くの色の四角を別の色のテープで覆い、いくつかの大きな四角を塗りつぶす大がかりな描き直しを始めた。26日に入院し、2月1日に没すると、絵は未完のままアトリエに残った。絵は画商ヴァレンタイン・デューデンシングのものとなった。前作《ブロードウェイ・ブギウギ》を手数料なしで売った彼に、画家が次の作品を約束していたためである。デューデンシングは《ヴィクトリー・ブギウギ》の題で、アメリカの収集家エミリー・トレメインに売った。1998年、オランダ銀行の寄付で国民美術基金が買い取り、同年8月31日、ベアトリクス女王の臨席のもとでオランダ国に贈った。1814年から2002年まで、オランダ銀行がギルダーの発行を担ったことを記念する贈り物だった。所蔵番号0810747。

意義

所蔵館によれば、本作は20世紀の最も重要な芸術家の一人の画業の終着点であり、現代の、そして抽象絵画の自由の象徴となった。水平と垂直、三原色という新造形主義の語法を保ちながら、黒い線を色の四角の連なりに置き換えたところに、ニューヨーク時代の画家の変化が表れている。調査によれば、テープで組み立てられた壊れやすい画面は、1949年に修復家キャロライン・ケックが蝋とポリ酢酸ビニルで固め、その後50年を経ても新たな損傷は見られなかった。