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《夕暮れ:赤い木》

Avond; De rode boom
《夕暮れ:赤い木》ピート・モンドリアン
Wikimedia Commons / デン・ハーグ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ピート・モンドリアン
制作年
1908–1910年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
70 × 99 cm
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青い夕闇を背に、一本の老木が画面いっぱいに枝を広げる。幹は燃えるような赤とオレンジで塗られ、黒ずんだ枝が網の目のように空を覆う。地面も青く沈み、赤と青の二色が激しくぶつかり合う。

概要

《夕暮れ:赤い木》(蘭: Avond; De rode boom)は、オランダの画家ピート・モンドリアンが1908年から1910年にかけて描いた油彩画である。縦70センチ、横99センチのキャンバスで、デン・ハーグ美術館が所蔵する。所蔵館は、火のような赤とコバルトブルーの色の爆発と呼び、画家がこうした色の実験でそれまでの自然主義の作風ときっぱり別れ、抽象への道に踏み出したとする。

画面の読み解き

画面の中央よりやや左に、ねじれた幹の老木が立つ。幹は赤とオレンジの太い筆触で塗られ、そこから左右へ這うように伸びる枝は、赤い線と黒ずんだ青の線が絡み合って、画面の端まで網の目のように広がる。背景の夕空は青と青紫の短い筆触で埋め尽くされ、ところどころに黄色の小さな点が散り、右上には円を描く筆触が重なる。枝先は画面の縁で断ち切られ、木は画面の外まで広がっていくように見える。地面は青や白、淡い赤の横長の筆触を帯のように重ねて表され、空と地の区別もほとんど色の調子だけで示される。所蔵館によれば、灯台や一本の木のような題材を周りから切り離して描くやり方は、ファン・ゴッホの例に励まされたもので、モンドリアンはそこから自分の筆の書きぶりを推し進めた。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。所蔵館によれば、20世紀の初めにモンドリアンの風景画は線と色においてしだいに独自のものとなった。本作から放たれる勢いはフィンセント・ファン・ゴッホの作品を思わせ、ファン・ゴッホの後期の作品は1905年の展覧会ののち、1908年秋にもアムステルダムで見ることができた。光の効果は、その後も長くモンドリアンにとって大切なものであり続けた。

来歴

所蔵館によれば、モンドリアンは1908年9月、ゼーラント州の海辺の町ドンブルフに1週間滞在し、気に入ってその後4度の夏を同地で過ごした。収集家マリー・タック・ファン・ポールトフリートと、表現主義の画家ヤコバ・ファン・ヘームスケルクの夏の家ヴィラ・ローフェレンダーレの庭には、1980年代まで、大きく枝を広げた古いリンゴの木が立っていた。最初の素描はそこで描かれたとみられる。画家は1908年に絵に取りかかり、1910年まで手を入れ続けた。所蔵番号は0332041。

意義

所蔵館によれば、1910年、友人ルイス・サールボルンは、暮れかかるアムステルダムのコンセルトヘボウの脇をモンドリアンと歩いたことを書き残している。低い夕日が青い屋根の家々に火のような赤い光を投げかけ、二人は思わず立ち止まった。モンドリアンは「なんという木だ…見事だ…あの赤い枝…!」と言ったという。1911年の《灰色の木》では、同じように一本の木を描きながら、色は黒と白と灰色に絞られ、形はさらに線へと還元されて、抽象絵画へ近づいていく。