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《ポーズする女たち》

Poseuses
《ポーズする女たち》ジョルジュ・スーラ
Wikimedia Commons / バーンズ・コレクション / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジョルジュ・スーラ
制作年
1886–1888年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
200 × 249.9 cm
流派
新印象派

アトリエの床に白い布が敷かれ、3人の裸のモデルが、背を向けて座り、正面を向いて立ち、横向きに腰かけて緑の靴下をはく。左の壁には《グランド・ジャット島の日曜日の午後》が掛かり、手前には脱いだ帽子や日傘が並ぶ。

概要

《ポーズする女たち》(仏: Poseuses)は、ジョルジュ・スーラが1886年から1888年にかけて描いた油彩画である。縦200センチ、横249.9センチのキャンバスで、アメリカのフィラデルフィアにあるバーンズ・コレクションが所蔵する。画家のアトリエで服を脱ぎ、ポーズをとり、身支度をする3人のモデルを描く。背景の壁には、2年前に発表した《グランド・ジャット島の日曜日の午後》の一部が見える。点描で等身大の裸婦に挑んだ、新印象派の代表作の一つである。

画面の読み解き

床に白い布を敷いたアトリエに、3人の裸のモデルがいる。左の女は背を向けて座ってうつむき、中央の女は正面を向き、両手を前で組んで立つ。右の女は白い布をかけた台に横向きに腰かけ、緑の靴下をはいている。左の壁には《グランド・ジャット島の日曜日の午後》が掛かり、日傘の女や、花束を持って座る少女が見える。右の薄紫の壁には額入りの素描が並び、緑の袋が下がる。手前の床には、羽根飾りの帽子、赤や黄色の日傘、扇、手袋、靴など、脱いだ衣装と小物が左から右へ並べられている。

技法・様式

所蔵館によれば、光と色と視覚の科学理論にもとづく点描は、冷たく機械的だと多くの批評家に退けられ、風景や大気の表現には向いても、裸体のような高貴な主題には使えないとも言われた。スーラは本作で等身大の裸婦を正面、横、背後の三方向から描いてそれに答え、自ら「闘いの画布」と呼んだ宣言的な作品の一つとした。画面は神話や宗教を描く歴史画に並ぶ大きさだが、描かれたのはサロンでおなじみの風俗の場面で、仕事を求めるモデルたちの「オーディション」とも読める。3人は古代の三美神やラファエロの同じ主題を思わせ、右の女は古代彫刻《とげを抜く少年》を、背を向けた女はアングルの《浴女》を思い起こさせる。1991年のスーラ展の図録でフランソワーズ・カシャンは、石膏を塗った白いキャンバスに細かな点を大画面で重ねたため、制作は少なくとも1887年の1年間に及んだとしている。

来歴

所蔵館によれば、本作は1888年3月から5月の第4回アンデパンダン展に出品された。カシャンによれば、1889年にブリュッセルの「20人展」に出たときは売れず、値を尋ねられた画家は「1日7フランで1年分」と答えた。画家の死の1年後に友人の詩人ギュスターヴ・カーンが遺族から買ったが、まもなく手放す。1897年には画家ポール・シニャックが、本作が売り場をさまよっていると嘆き、その仲立ちでドイツのケスラー伯爵が買ったが、のちに再び売られた。1926年にロンドンのルフェーヴル画廊で展示されたのち、アメリカの収集家アルバート・C・バーンズの手に渡った。所蔵番号BF811。現在は館の主室の西の壁に展示されている。

意義

カシャンによれば、カーンや批評家フェリックス・フェネオンら親しい人々にとって本作は傑作だった。1888年2月19日、アルルへ発つ直前にアトリエを訪れたフィンセント・ファン・ゴッホは、のちに弟テオへの手紙で、その「美しい大きな画布」の記憶に励まされていると書いた。1926年に本作を見た批評家ロジャー・フライは、不安になるほど動かない、驚くほど奇妙で独創的な構図と評している。一方、バーンズの定款が撮影と貸し出しを禁じていたため、本作は長く館を訪れるわずかな人にしか見られず、主に縮小版を通じて知られてきた。カシャンは、本作が近代絵画の殿堂から不当に外されてきたと述べている。