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《帽子屋》

The Millinery Shop
《帽子屋》エドガー・ドガ
Wikimedia Commons / シカゴ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
エドガー・ドガ
制作年
1879–1886年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
100 × 110.7 cm
所蔵
シカゴ美術館 (1933.428、第226室)
流派
印象派
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橙色の台の上に、羽根や花で飾った帽子がいくつも立てて並ぶ。その奥で、オリーブ色の服に長い手袋をはめた若い女性が椅子に腰かけ、両手に持った帽子を目の高さに掲げて見つめる。手前の台の上の緑の飾りの帽子は、彼女の頭にのっているように見える。

概要

《帽子屋》(英: The Millinery Shop)は、エドガー・ドガが1879年から1886年に描いた油彩の風俗画である。縦100センチ、横110.7センチのキャンバスで、シカゴ美術館が所蔵する。所蔵館によれば、ドガが帽子職人を主題に描いた作品の中で最も大きい。画家は構図を入念に練り、ただ一人の人物について素描やパステルを何枚も重ねて、ポーズを磨き、服装を試した。

画面の読み解き

所蔵館によれば、女性は帽子店に座ってつば広の帽子を見つめている。流行の緑の毛織のドレスに、長く優美な手袋をはめているが、こうした装いは裕福な客にも店の従業員にも同じように見られた。手前の台には、羽根やリボン、花で飾った帽子がいくつも帽子掛けに立てて並び、画面の左から右へと視線を導く。緑の飾りのついた帽子は、ちょうど女性の頭の上にのっているかのような位置に置かれている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。橙や黄土の暖かい色調の中に、帽子の白や水色、桃色がやわらかな筆で置かれ、人物は画面の右に寄せて端で断ち切られる。帽子と台が手前を大きく占め、人物を奥に置く大胆な構図は、ドガが劇場や街の場面で好んだ切り取り方に通じる。

来歴

所蔵館によれば、本作は1913年2月22日に画家から画商ポール・デュラン=リュエルに5万フランで売られ、1917年にニューヨークの同画廊へ送られた。1932年にシカゴのルイス・ラーンド・コバーン夫人が購入し、1933年に夫人の遺贈により同館に入った。所蔵番号は1933.428で、第226室に展示されている。

意義

所蔵館によれば、本作は19世紀後半のフランスに生まれた階級の見分けにくさを浮かび上がらせる。帽子づくりは技と趣味を要する格の高い仕事とされ、成功した若い女性たちの地位を少しずつ押し上げていた。女性のドレスは裕福な婦人が着てもおかしくないが、上流の娘なら当然かぶるはずの帽子をかぶっていない。ドガはこの新しい曖昧さを、頭にのって見える帽子で遊び心たっぷりに描いている。