《最後の審判》
- 作者
- ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
- 制作年
- 1443–1451年
- 素材
- オーク・パネル / 油絵具
- 寸法
- 220 × 548 cm
- 所蔵
- オスピス・ド・ボーヌ
- 時代
- ルネサンス
- 流派
- 初期フランドル派
金色の空を背に、赤いマントのキリストが虹に座り、その下で白い衣の大天使ミカエルが天秤で魂を量る。左右には聖母とヨハネ、使徒たちが並び、地上では裸の死者がよみがえり天国と地獄へ分かれる。
概要
《最後の審判》は、ロヒール・ファン・デル・ウェイデンがフランス東部ボーヌの施療院オテル・デューのために描いた多翼の祭壇画で、いまも同じ施療院(オスピス・ド・ボーヌ)が所蔵する。所蔵者の資料では、オークの板に油彩で、開いた状態で縦220センチ、横548センチ、閉じると横274センチ。注文の文書は見つかっていないが、1451年12月31日の礼拝堂の献堂の時には据えられていたとみられ、制作は1443年から1451年の間とされる。
画面の読み解き
施療院の解説によれば、中央の赤い衣のキリストは審判者として右手を上げ、選ばれた者たちに「わが父に祝福された者よ、来たれ」と招き、下げた左手で「呪われた者よ、離れて永遠の火に入れ」と退ける。足もとでは、審判を告げる四人の天使が、白い衣と緋のマントの大天使ミカエルを囲み、ミカエルは表情を変えずによみがえった死者を天秤で量る。左右には聖母、洗礼者ヨハネと使徒たちが並ぶ。閉じた外側には、ひざまずいて祈る創設者ニコラ・ロランと妻ギゴーヌ・ド・サラン、聖セバスティアヌスと聖アントニウス、受胎告知が描かれる。
技法・様式
文化省の文化財目録によれば、作品はもともと9枚のオーク板からなり、そのうち6枚は両面に描かれていた。先に金地を置き、ところどころに刻線を入れてから絵具を重ね、光輪も刻まれている。目録は、天使たちと使徒のうち9人に工房の手が感じられるとする。1812年頃には裸の人物に加筆で覆いがかけられたが、のちの修復で取り除かれた。
来歴
施療院によれば、本作は宰相ロラン夫妻が「貧者の大広間」の礼拝堂のために注文したもので、1501年の最初の財産目録に主祭壇の上にあると記される。閉じた姿は創設者の慈善を示し、大きな祝日に開かれると、病人たちは寝台から審判の場面を仰ぐことができた。1875年から1878年にルーヴルの工房で根本的な修復を受け、両面の板を厚みで二つに挽き分けたため、いまは内と外が別々に展示されている。1891年に歴史的記念物に指定された。
意義
本作の高精細記録を手がけたファクトゥム財団は、19世紀の修復で内外が分けられたほかは注文された施療院にとどまり続けた、この重要さの作品では数少ない例とする。施療院は2025年に国立の研究修復機関(C2RMF)との修復計画を発表し、2026年9月から作品を同機関に移して、1875〜1878年以来の本格的な修復を行うとしている。同じ画家の作品には《十字架降架》がある。