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《十字架降架》

El Descendimiento
《十字架降架》ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
Wikimedia Commons / プラド美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ロヒール・ファン・デル・ウェイデン
制作年
1432–1443年
素材
パネル / 油絵具
寸法
204.5 × 259 cm
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金色の浅い箱の中に、十字架から降ろされたキリストと、それを囲む人々がぎっしりと並ぶ。気を失って崩れ落ちる聖母の体は、息絶えた子の体と同じ曲線を描き、周りの人々は涙を流して悲しむ。

概要

《十字架降架》(西: El Descendimiento)は、初期フランドル派の画家ロヒール・ファン・デル・ウェイデンが1443年以前に描いた板絵の油彩画である。縦204.5センチ、横259センチで、マドリードのプラド美術館にある。所蔵館の作品解説(ホセ・フアン・ペレス・プレシアード、2024年の所蔵目録)によれば、この絵は、彩色された彫像でキリストの降架を表した彫刻の祭壇画を、絵画で再現したものである。人物は金地の箱の中に置かれ、隅には透かし彫りの装飾が描かれて、15世紀の彫刻の祭壇の厨子を思わせる。

画面の読み解き

所蔵館によれば、豪華な金襴のマントをまとったアリマタヤのヨセフがキリストの体を降ろし、白いひげのニコデモが白い布でその腕を支える。梯子の上の若い男はヨセフの召使いの一人で、なおもキリストの腕をぎこちなく支え、ヨセフのそばの召使いは香油の壺を持つ。マグダラのマリアは、体の上ではありえない姿勢で身をかがめて悲しみを表す。聖母マリアはキリストと同じ重みで描かれ、悲しみのあまり気を失い、その姿勢は死んだ子の姿勢をなぞる。聖母を支えるのは使徒ヨハネと、緑の衣の女性で、おそらく聖母の姉妹マリア・サロメである。その後ろにはクロパの妻マリアがいる。画家は、涙を流す人々とその身ぶりで、場面の心の痛みを伝えている。

技法・様式

所蔵館によれば、ファン・デル・ウェイデンはこの絵で、本物らしく描き、宗教的な出来事を伝えるという点で、絵画と彫刻の力を競わせてみせた。写実的な細部と、現実にはありえない舞台とを組み合わせる構成は、15世紀のフランドルの美術に大きな衝撃を与えた。同館の百科事典(ホアキン・ヤルサ・ルアセス)は、人物が並ぶ舞台の上部の隅に、炎のような小さな透かし彫りを模した装飾があり、そこに注文主の組合を示す小さな弩(いしゆみ)が描かれていると指摘する。

来歴

所蔵館によれば、本作はルーヴェンの城外の聖母教会にあった、大弩手組合の礼拝堂のために描かれた。1443年の年記をもつ最古の写し、エーデルヘーレの三連祭壇画(ルーヴェン、聖ペテロ教会)から、それまでに完成していたことがわかる。同館の百科事典は、画家がルーヴェンに住んでいたとみられる1432〜35年ごろに組合が注文したと考える。16世紀にネーデルラント総督のハンガリー王妃マリアが高額で買い取り、1549年8月にはその居城のあるバンシュにあった。1564年にはマドリード近郊のエル・パルド宮殿でフェリペ2世の所蔵品に数えられ、1566年7月8日にエル・エスコリアル修道院に移される。1936年に国の美術品保護委員会がプラド美術館に預け、現在は国有財産庁(パトリモニオ・ナシオナル)から、エル・エスコリアル修道院の所蔵品として長期に貸し出されている。

意義

同館の百科事典によれば、ファン・デル・ウェイデンの構図は上流階級や市民の感性に深くしみこみ、長く写され、まねされた。ロンドン・ナショナル・ギャラリーも、画家が肖像と宗教画の型を生み出し、それが16世紀の半ばまでネーデルラント、イベリア半島、さらにイタリアで繰り返されたとする。本作は現在、プラド美術館の第58室に展示されている。