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《法律家》

《法律家》ジュゼッペ・アルチンボルド
Hans Thorwid / スウェーデン国立美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジュゼッペ・アルチンボルド
制作年
1566年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
64 × 51 cm
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黒い帽子をかぶった学者風の男の胸像。だがよく見ると、毛皮の縁の上着に包まれた体は積み重ねた本と書類で、顔は羽をむしった鳥と死んだ魚でできている。首元には書類の束が襟のように重なる。

概要

《法律家》は、ミラノ出身の画家ジュゼッペ・アルチンボルドが1566年に描いた油彩の肖像画で、スウェーデン国立美術館が所蔵する。館の記録では縦64センチ、横51センチのキャンバスで(額を含めると縦71.5センチ、横58.5センチ)、所蔵番号はNMGrh 1227。館の題は「法律家、おそらくウルリッヒ・ツァシウス(1461〜1535/36年)、人文主義者、法学者」で、館の第1622室に展示されている。

画面の読み解き

館の解説によれば、学識ある紳士に見えるものは、実は毛皮の縁取りのある上着をかけた本と書類の山である。黒い帽子の下の頭部は、死んだ魚と鳥でできている。館は、アルチンボルドの絵は、ある主題を表すために、さまざまな物を組み合わせて人の姿をつくるものだとする。この肖像は役人か学者を描いたものと考えられ、皇帝の行政に仕えた法学者ウルリッヒ・ツァシウスである可能性がある。

技法・様式

館によれば、このような主題はアルチンボルドの得意とするところだった。画家の主な庇護者は神聖ローマ皇帝たちで、その寓意的な絵はマクシミリアン2世とルドルフ2世に大いに重んじられた。画家はウィーンの宮廷に仕えていた時期に、職業にちなむ物でその人物を描くこうした肖像を手がけた。同じ趣向の作品に、本を積み重ねて人の姿をつくった《司書》がある。《司書》を所蔵するスコークロステル城は、それらを画家がハプスブルク家の宮廷に入って間もない1560年代に、皇帝の側近たちを座興として描いた肖像の連作とし、本作をその一点に数えている。

来歴

館によれば、本作はプラハの皇帝のコレクションに属していたが、三十年戦争ののちにスウェーデンへ運ばれた。のちにグリプスホルム城にあり、1866年に城から館に移管された。

意義

館によれば、アルチンボルドは物を組み合わせて人の姿を描く絵を専門とし、皇帝たちに重用された。本作は、肖像画の形をとりながら、描かれた人の職業そのものを本と書類で表した作例として、館の16世紀の展示室に掛けられている。同じ画家の作品には、スコークロステル城の《ウェルトゥムヌスとしての皇帝ルドルフ2世像》がある。