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《笛を吹く少年》

Le Fifre
《笛を吹く少年》エドゥアール・マネ
Wikimedia Commons / オルセー美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
エドゥアール・マネ
制作年
1866年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
160.5 × 97 cm
流派
写実主義
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何もない灰色の背景の前に、黒い上着と赤いズボンの軍楽隊の少年が立ち、横笛を口に当てて吹く。肩から掛けた白い帯には金色の笛入れが下がり、足もとには白いゲートルと黒い靴がのぞく。

概要

《笛を吹く少年》は、フランスの画家エドゥアール・マネが1866年に描いた油彩画で、パリのオルセー美術館が所蔵する。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦160.5センチ、横97センチ。所蔵番号はRF 1992で、右下に「Manet」の署名がある。1911年にカモンド伯爵イザークの遺贈で国の所有となり、現在は館の1階14室に展示されている。本作は1866年のサロンに応募したが、審査で落選した。

画面の読み解き

画面には、ほとんど一様な灰色の背景の前に、軍楽隊の少年が全身で立つ。少年は黄と赤の飾りのついた黒い軍帽をかぶり、金ボタンの並ぶ黒い上着と、脇に黒い線の入った赤いズボンを身につけ、両手で横笛を口に当てて吹いている。肩から斜めに掛けた白い帯には、金色に光る笛入れが下がり、足もとには白いゲートルと黒い靴が見える。館によれば、マネはここで、名もない若い兵士の少年という現代の主題を、ふつうならスペインの大貴族にこそふさわしい威厳をもって描いた。床と奥の壁の境はほとんど見分けられず、空間は浅い。

技法・様式

館によれば、マネは、平らでくっきりとした黒の面、肌と笛入れのかすかな肉付け、布のひだを強調する厚く盛り上がった白を組み合わせた。色数は強く絞られ、背景はほぼ一様な灰色にまで切り詰められている。マネは絵画の主題の序列を覆し、その選択に、意図して大胆に簡略化した造形の言葉を組み合わせた。

来歴

館によれば、マネはすでにスペインに着想を得た様式と主題で独自の語法を見いだしていたが、スペインとプラド美術館を実際に見たのは遅く、1865年のことだった。そこで見たディエゴ・ベラスケスの肖像画《パブロ・デ・バリャドリードの肖像》に強い印象を受け、友人の画家アンリ・ファンタン=ラトゥールに、これまでに描かれた最も驚くべき絵だと書き送った。全身黒ずくめの人物のまわりで、背景が空気の中に溶けているからである。パリに戻ったマネは、その教えを本作に生かした。館の来歴によれば、本作は1872年に画商デュラン=リュエルが画家から買い取り、1873年から1893年までバリトン歌手ジャン=バティスト・フォールが所有した。1894年からカモンド伯爵が持ち、1911年の遺贈でルーヴル美術館に配属されて1914年から展示され、1947年からはジュ・ド・ポーム、1986年にオルセー美術館に移った。

意義

館によれば、本作は、作家エミール・ゾラがマネに熱中するきっかけとなった作品の一つで、ゾラは主題と描き方の真実さの中に、はっきりと現代的な感覚を見いだした。1867年には、パリ万国博覧会の時期に開いたマネの個展「マネ館」で展示され、1884年の没後の回顧展、1889年のパリ万国博覧会にも出品された。