クレジット方針 収録範囲について お問い合わせ
作品COLLECTION 画家ARTISTS 流派MOVEMENTS 時代PERIODS 所蔵MUSEUMS 様式史HISTORY 用語集GLOSSARY 検索SEARCH

《浴女たち》

Les Baigneuses
《浴女たち》ピエール=オーギュスト・ルノワール
Wikimedia Commons / オルセー美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ピエール=オーギュスト・ルノワール
制作年
1918–1919年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
110 × 160 cm
時代
20世紀

草の上に二人の裸婦が横たわる。一人は両腕を頭の後ろに上げて仰向けになり、もう一人は頬杖をついてこちらを見る。奥の流れでは三人の女が水と戯れている。

概要

《浴女たち》(仏: Les Baigneuses)は、フランスの画家ピエール=オーギュスト・ルノワールが1918年から1919年にかけて描いた油彩画である。縦110センチ、横160センチのキャンバスで、オルセー美術館が所蔵する。1919年12月に没した画家の、最晩年の大作である。

画面の読み解き

画面の手前で、二人の裸婦が草の上に横たわる。左の女は両腕を頭の後ろに上げて仰向けになり、縞模様のクッションに頭をあずけて、白い布の上に脚を伸ばす。その奥の女は横向きに寝そべって頬杖をつき、腰に白い布をかけて、こちらへ目を向ける。左下には花飾りのついた麦わら帽子が置かれ、右奥の流れでは三人の女が水と戯れている。背後には木々と、青くかすむ丘が広がる。オルセー美術館の解説によれば、手前の二人のモデルと奥の三人は、画家が南仏カーニュ=シュル=メールに持っていた地所レ・コレットの、オリーブの木が茂る広い庭でポーズをとった。地中海の風景は、「大地が神々の楽園だった」イタリアとギリシアの古典の伝統を思わせ、画家は「それこそ私が描きたいものだ」と言い添えたという。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。同館の解説によれば、この牧歌的な情景は、モデルたちの官能性と豊かな色彩、ふくよかな形によっていっそう強められている。肌は赤みを帯びた暖かな色で塗られ、草木や布も細かく揺れる筆触で描かれて、人物と風景が溶け合う。本作は、ルノワールが深く敬愛したティツィアーノとルーベンスの裸婦に多くを負っている。そこには、晩年の画家を苦しめた病と痛みにも損なわれなかった、描くことの喜びが表れているという。

来歴

本作は画家の最晩年、1918年から1919年にかけて描かれ、画家は1919年12月に没した。オルセー美術館の解説は、本作を画家の絵画上の遺言とみなすこともできるとし、その思いから、映画監督ジャン・ルノワールを含む三人の息子が、1923年に本作を国に寄贈したと記す。館の記録の来歴も「画家の息子たちによる寄贈、1923年」である。所蔵番号はRF 2795。

意義

同館の解説によれば、本作は、ルノワールが晩年に重ねた試みを象徴する作である。1910年以降、画家は好んだ主題の一つである戸外の裸婦、すなわち水浴図に立ち返り、大きな絵を何点も描いた。そこでは同時代の世界を思わせるものがすべて退けられ、時を超えた自然が讃えられている。