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《良心の目覚め》

The Awakening Conscience
《良心の目覚め》ウィリアム・ホルマン・ハント
Wikimedia Commons / テート・ブリテン / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ウィリアム・ホルマン・ハント
制作年
1853年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
76.2 × 55.9 cm
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華やかな居間で、ピアノの前に座る男の膝から、若い女性がはっと身を起こす。両手を組み、窓の外の何かを見つめる顔には、驚きと目覚めの色が浮かぶ。背後の鏡には、日の光に満ちた春の庭が映る。

概要

《良心の目覚め》(英: The Awakening Conscience)は、イギリスの画家ウィリアム・ホルマン・ハントが1853年に描いた油彩画である。縦76.2センチ、横55.9センチ。愛人の膝から立ち上がりかけた若い女性が、窓の外の何かに心を打たれる瞬間を描き、部屋の品々に道徳の意味を込めた寓意画でもある。ラファエル前派を創設した画家の一人による作品で、テート・ブリテンが所蔵する。

画面の読み解き

ja.wp によれば、一見すると夫婦の他愛ないいさかいのようだが、題と画面の象徴を読み解くと、囲われた女性とその愛人の絵だとわかる。重ねた女性の手が画面の中心で、左手の置き方は、結婚指輪だけをしていないことを強調する。テーブルの下で小鳥をもてあそぶ猫、ガラスで覆われた時計、ピアノに掛けかけのタペストリー、床でもつれた糸が、その空しい境遇を暗示する。床にはテニスンの詩「涙よ、空しき涙よ」に曲をつけた楽譜が捨てられ、譜面台には、幸せだった過去を悲しく振り返るトマス・ムーアの歌「静かな夜にしばしば」の楽譜が置かれている。後ろの壁の鏡には、日の光に満ちた春の庭が映り、部屋に閉じ込められたような女性の姿と鮮やかな対比をなす。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。ja.wp によれば、ハントは部屋の雰囲気をつかむため、逢い引きに使われる家の一室を実際に借りた。批評家ジョン・ラスキンは1854年にタイムズ紙で本作を擁護し、部屋の徹底した写実と、細部に込められた象徴の意味をたたえた。モデルは、ラファエル前派の作品にたびたび登場するアニー・ミラーである。額縁にも、警告の鈴、悲嘆のマリーゴールド、天啓を示す星などの象徴が施されている。

来歴

ja.wp によれば、マンチェスターの実業家でラファエル前派のパトロンだったトマス・フェアベアンが350ギニーで注文し、1854年のロイヤル・アカデミー展で、同じ画家の《世の光》とともに初めて公開された。女性の表情に耐えられなくなったフェアベアンの頼みで、ハントは顔をやわらげる描き直しを行った。フェアベアンの息子が受け継いだのち、1947年にコリン・アンダーソンが買い、テートのオープンデータによれば、1976年にアンダーソン夫妻が館に寄贈した。所蔵番号は T02075。現在はテート・ブリテンの第10室に展示されている。

意義

ja.wp によれば、ハントは本作を、扉をたたくキリストを描いた《世の光》と対をなす作品と考えていた。天上の愛が実生活のなかに現れ、低俗な生き方をやめるよう魂に呼びかける場面だという。ラスキンは、出来事を記録するのでなく想像力で物語を生み出す、イギリス美術の新しい流れを示す例として本作を称えた。