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《ホメロス礼讃》

Homère déifié, dit aussi L'apothéose d'Homère
《ホメロス礼讃》ドミニク・アングル
photo Shonagon 2025-03-29 / ルーヴル美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ドミニク・アングル
制作年
1827年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
386 × 512 cm
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名を刻んだ神殿の前で、台座に座る白髭の詩人ホメロスに、翼のある女神が月桂冠をのせる。足もとには二人の女が座り、左右の階段には古代の詩人や画家、その下には近代の作家たちが、詩人を仰ぐように並ぶ。

概要

《ホメロス礼讃》(仏: Homère déifié, dit aussi L'apothéose d'Homère)は、フランスの画家ドミニク・アングルが1827年に描いた油彩画である。縦3.86メートル、横5.12メートルの大画面で、ルーヴル美術館が所蔵する。古代ギリシアの詩人ホメロスが神として冠を受け、古代から近代までの偉人たちに囲まれる姿を描いた寓意画で、もとは同館の天井画として描かれた。

画面の読み解き

ルーヴル美術館の解説によれば、破風に名を刻んだ神殿の前で、神となった詩人ホメロスが台座の上に座り、翼のある勝利の女神が月桂冠をその頭にのせる。足もとには、剣を持つ『イリアス』と、櫂を持つ『オデュッセイア』の二人の寓意像が座る。周りには古代の人々が全身像で並び、左には巻物を持つ悲劇詩人アイスキュロスと、絵筆とパレットを持つ画家アペレス、右には竪琴を持つ詩人ピンダロスと木槌を持つ彫刻家フェイディアスが立ち、ダンテとラファエロの姿もある。近代の人々はその下に半身像で置かれ、ラシーヌ、ボワロー、モリエール、コルネイユ、ラ・フォンテーヌ、画家ニコラ・プッサンが並ぶ。描かれた人物は46人にのぼり、ホメロスをたたえるか、こちらを見つめている。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。館によれば、構図はラファエロのフレスコ画《パルナッソス》に着想を得ている。画面は正面を向いた神殿とホメロスを軸に左右対称に組まれ、人物は階段状の二つの段に分けられて、上の段に古代の偉人が、下の段に近代の偉人が置かれる。澄んだ明るい色の平らな塗りが、壁画のような印象を与える。左下に署名、右下に「Anno 1827」の年記がある。

来歴

館の記録によれば、本作は周りの湾曲した天井の画(INV 5418)とあわせて2万フランで注文された。ルーヴルの中に開かれた「シャルル10世美術館」(いまの古代エジプト美術の展示室)の最後の間の天井を飾るためのもので、1827年に取り付けられ、同年と1833年のサロンにも出品された。1855年に天井から外され、代わりにジャン=ポール・バルズとレモン・バルズの兄弟、ミシェル・デュマが原寸で写した模写が、1856年に取り付けられた。模写は今もクララックの間(第649室)の天井にある。原画の所蔵番号はINV 5417で、いまはドノン翼第702室のダリュの間に展示されている。

意義

アングルは、古代ギリシアの芸術を美の規範とする新古典主義の理想を、古代から近代までの偉人がギリシア最大の詩人をたたえる姿で表した。この主題を画家は生涯持ち続け、晩年の1865年にも、ギリシア文字の文を書き込んだ鉛筆とグワッシュ、淡彩の素描《ホメロス礼讃》を描いている(ルーヴル美術館蔵、RF 5273)。素描には「J. A. D. Ingres inv. Pinxit Delineavit 1865」と記され、1921年にヴィッタ男爵の寄贈で館に入った。