《コーンウォリス卿の降伏》
- 作者
- ジョン・トランブル
- 制作年
- 1819–1820年
- 素材
- キャンバス / 油絵具
- 寸法
- 366 × 549 cm
- 所蔵
- アメリカ合衆国議会議事堂
- 時代
- 新古典・ロマン
- 流派
- 新古典主義
青い空に黒い雲が広がる下、白馬の将軍が、剣を差し出すイギリス軍の将校に右手を伸ばす。降伏の隊列は遠くまで続き、左には白い旗の下にフランスの将校たちが、右には星条旗の下にアメリカの将校たちが並ぶ。
概要
《コーンウォリス卿の降伏》(英: Surrender of Lord Cornwallis)は、アメリカの画家ジョン・トランブルが1819年から1820年にかけて描いた油彩画である。縦12フィート(約366センチ)、横18フィート(約549センチ)の大画面で、アメリカ合衆国議会議事堂のロタンダに掛かる。独立戦争の最後の大きな戦いを描いた歴史画で、ロタンダの独立戦争期の4つの場面の一つである。
画面の読み解き
議事堂建築家庁の解説によれば、主題は1781年、ヴァージニアのヨークタウンでのイギリス軍の降伏で、独立戦争の最後の大きな戦役を終わらせた出来事である。黒い雲の広がる青い空と壊れた大砲が、この日に至る戦いを思わせる。中央では、アメリカのベンジャミン・リンカーン将軍が白馬に乗り、降伏するイギリス軍の将校が差し出す剣に右手を伸ばす。その将校の後ろには、長い兵の隊列が奥へと続く。左にはブルボン王家の白い旗の下にフランスの将校たちが、右には星条旗の下にアメリカの将校たちが並び、ラファイエット侯爵や画家の兄ジョナサン・トランブル大佐の姿もある。コーンウォリス本人が降伏の場にいなかったため、茶色の馬に乗ったワシントン将軍は後方に控えている。
技法・様式
キャンバスに油彩で描かれる。同庁によれば、トランブルは1785年に、国の歴史や独立戦争の出来事を「真剣に考え始め」、この主題の小さな絵(約20×30インチ)を構想した。1787年に下絵を描き、人物の配置に苦心しながらも、1788年までに構図を決めた。描く人々の姿を実物から写すため各地を旅し、パリではトマス・ジェファーソンの家でフランスの将校たちを、ニューヨークでも多くの人を写生した。1791年にはヨークタウンを訪れ、降伏の場所を素描している。
来歴
同庁によれば、トランブルは1817年1月、ワシントンで小さな絵などを見せ、議事堂のための4点の記念碑的な歴史画の注文を受けた。本作はそのうち2番目に完成した作品で、ニューヨーク、ボストン、ボルティモアで展示されたのち、1820年の末に議事堂へ納められた。小さな版は1828年頃に仕上がり、いまはイェール大学美術館にある。画家は1828年に自らロタンダの絵の最初の洗浄と修復を行い、湿気から守るため裏に蝋を塗った。
意義
本作は、ロタンダに掛かるトランブルの4点のうち、《独立宣言》に続いて完成した2点目である。同庁によれば、19世紀から20世紀にかけて洗浄や修復、裏打ちが重ねられ、1971年には強く投げつけられた1セント硬貨がキャンバスを貫いた損傷が修理された。ロタンダの絵はすべて、2008年に最後の洗浄を受けている。