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《キリスト降誕》

La Nativité
《キリスト降誕》ロベルト・カンピン
Wikimedia Commons / ディジョン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ロベルト・カンピン (伝)
制作年
1430年
素材
板 / 油絵具
寸法
86 × 72 cm
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崩れかけた藁葺きの小屋の前で、白い衣の聖母が地面に横たわる幼子にひざまずき、ヨセフはろうそくを手でかばう。窓から羊飼いたちがのぞき、右では着飾った二人の産婆が幼子に近づく。奥に冬枯れの道と町が続く。

概要

《キリスト降誕》は、15世紀前半のネーデルラントで描かれた油彩の板絵で、フランス東部のディジョン美術館が所蔵する。館の記録では縦86センチ、横72センチで、制作は1430年頃、所蔵番号はCA 150。館は1828年に購入し、第5室に展示している。作者について、館は「フレマールの画家のグループの画家」に帰属させており、その中心とされてきたロベルト・カンピンの名で知られる。19世紀の館の目録ではハンス・メムリンクの作とされていた。

画面の読み解き

館の解説によれば、本作は降誕の三つの場面を一つの画面にまとめている。幼子イエスが馬小屋で生まれ、羊飼いたちが礼拝に訪れる場面は、福音書、とりわけルカによる福音書にもとづく。一方、聖母が白い衣をまとい、髪を肩に垂らす姿は、1372年にベツレヘムの降誕の洞窟を訪れたスウェーデンの聖ブリギッタの幻視に従っている。幼子から放たれる光は、空の太陽も、ヨセフのろうそくの光も覆い隠す。三人の羊飼いは小屋の窓から場面をのぞき、画中の画のように画面の中央で注意を引く。右の豪華な衣装の二人の女性は、外典の福音書が語る産婆である。一人のアゼルは、出産によって聖母の処女性が損なわれなかったことを認め、もう一人のサロメは信じずに手が萎えたが、天使の勧めで幼子に触れて癒やされた。館の記録によれば、天使や産婆の持つ帯状の巻物には、「いと高きところには栄光、神にあれ」、「おとめが子を産んだ」、「確かめるまでは信じない」、「幼子に触れよ、さらば癒やされん」といったラテン語の言葉が記され、聖母の衣の縁には聖歌「サルヴェ・レジナ」の句が記されている。

技法・様式

館の解説によれば、風景は聖なる出来事への自然の注釈となっている。木々はまだ葉を落としているが、雪は無く、小川には水が流れ、冬の厳しさが過ぎつつあることがわかる。これは、降誕祭が冬至のすぐ後にあり、光が少しずつ闇に打ち勝つことを思い起こさせる。季節と光の正確な描写、遠くへ行くほど淡くなる色、曲がりくねる道で奥行きを表す工夫により、この風景は西洋絵画で最も早い写実的な風景の一つとなっている。人物の顔の写実や素材の質感の描写にも新しい試みが見られる。一方で、奇妙な形の岩、三つの場面の並置、帯状の巻物、高い地平線、人物と風景のつながりの不十分さといった古い要素も残る。手前の人物を正面からの光が立体的に浮かび上がらせ、風景では太陽の光が長い影を落とすという、二つの光が共存していることも、その不自然さを強めている。

来歴

館の解説によれば、本作はおそらく中世からブルゴーニュにあったが、もとの来歴については推測しかない。1828年に館が購入した。19世紀の館の目録は、1834年から本作をメムリンクの作としていた。20世紀には1904年にパリで開かれたフランス・プリミティフ展などに出品され、2009年にはフランクフルトのシュテーデル美術館とベルリン絵画館で開かれた「フレマールの画家とロヒール・ファン・デル・ウェイデン」展にも出品された。

意義

館によれば、作者の研究から、「フレマールの画家」はロヒール・ファン・デル・ウェイデンとも、ロベルト・カンピン一人とも同定できず、その名のもとには、トゥルネーのカンピンの工房で同時に働いていた複数の画家が隠れていることが明らかになった。プラド美術館は、本作を、フランクフルトの《悪しき盗賊》やロンドンのセイラーンの三連祭壇画などとともに、フレマールの画家のグループの中核をなす作品に挙げている。