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《化粧》

La Toilette
《化粧》フレデリック・バジール
Wikimedia Commons / ファーブル美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フレデリック・バジール
制作年
1870年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
130 × 128 cm
流派
印象派

赤い壁掛けを背に、毛皮を敷いた寝台に裸の女性が腰掛ける。足もとではオレンジのターバンの女性がひざまずいて緑の靴を履かせ、右では縞の服の女性が花柄の黒い衣を広げて待つ。

概要

《化粧》は、フランスの画家フレデリック・バジールが1870年に描いた油彩画で、モンペリエのファーブル美術館が所蔵する。館の記録では縦130センチ、横128センチのキャンバスで、所蔵番号は18.1.2。館によれば、東方趣味の想像力と聖書の世界の両方に着想を得て、二人の召使いが婚礼に向けて身支度をさせる、現代のバテシバを描いている。1918年に画家の弟マルク・バジールが館に寄贈した。

画面の読み解き

赤い壁掛けを背に、毛皮を敷いた寝台に裸の女性が腰掛ける。足もとでは、オレンジのターバンを巻いた黒人の女性がひざまずいて緑の靴を履かせ、右では縞の服の女性が花柄の黒い衣を広げて待つ。館の作品解説によれば、画家は母への手紙で「すばらしいが、ひどく高くつきそうなモデル」と「見事な黒人女性」に触れている。現代の服を着た右の女性は、ルノワールの伴侶でモデルでもあったリーズ・トレオとみられる。

技法・様式

館によれば、バジールは1869年12月から1870年3月にかけて本作を描き、ルーヴル美術館にある升目入りの素描と、おそらく油彩の下絵で入念に準備した。1869年にルーヴルに入ったレンブラントの《バテシバ》や、黒人女性の後ろ姿のポーズに通じるヴェロネーゼの作例など、伝統の主題と姿勢を手もとに持っていたが、最も近いのはドラクロワの《アルジェの女たち》の2つの版である。28歳の画家は、毛皮、絹、繻子、絨毯、綿布といった手ざわりの異なる素材を描き分ける腕と、召使いのターバンのオレンジやスリッパのエメラルドグリーンのような珍しい色調を、暖色と寒色の対比で生かす色彩の力を見せている。

来歴

館の作品解説によれば、バジールは1870年のサロンへの出品を目指し、アトリエの眺めや肖像と並行して、審査員と審査長の東方画家ジャン=レオン・ジェロームの好みに合いそうな主題として本作に取り組んだ。ただし館の記述は食い違っており、収蔵品検索の短い解説はアレクサンドル・カバネルの支持でサロンに入選したとするのに対し、子ども向けの作品解説は、マネの《オランピア》をあまりに露骨に思わせたためか審査員が本作を退け、より大胆な《夏の情景》を選んだとする。バジールは同じ年の11月、普仏戦争で戦死した。

意義

館は、魅惑的な主題と震えるような色、のちのアンリ・マティスを予告する装飾的な画面づくりを本作の特徴に挙げる。館は第39室のバジールの部屋に本作を展示している。同じ館には、戸外の光の中に人物を置いた《村の眺め》もある。