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《小さな聖家族》

La Sainte Famille, dit La Petite Sainte Famille
《小さな聖家族》ラファエロ・サンティ
Wikimedia Commons / ルーヴル美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ラファエロ・サンティ (伝)
制作年
1516–1518年
素材
板(クルミ材) / 油絵具
寸法
38 × 32 cm
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遠くに青い山並みの見える野で、聖母のひざ元の幼子イエスが、老いた聖エリサベトに支えられた幼い洗礼者ヨハネのあごに手を添える。聖母はうつむいて二人を見守り、足もとには揺りかごが置かれている。

概要

《小さな聖家族》は、イタリアの画家ラファエロ・サンティに帰属される、1516年から1518年頃の油彩の板絵で、パリのルーヴル美術館が所蔵する。館の題は「聖家族、通称小さな聖家族」。館の記録では、クルミ材の板に描かれ、縦38センチ、横32センチ、額を含めると縦55センチ、横43.5センチ。所蔵番号はINV 605。館は作者を「ラファエロに帰属」とし、かつてはジュリオ・ロマーノの作とされたことも記録している。2026年9月9日から12月13日まで、東京の国立新美術館の「ルーヴル美術館展 ルネサンス」に出品されている。

画面の読み解き

画面では、遠くに青い山並みが連なる野に、聖母と老いた聖エリサベトが座る。聖母のひざ元に立つ幼子イエスは、エリサベトに抱かれた幼い洗礼者ヨハネのあごに手を添え、聖母はうつむいて二人を見守る。ヨハネは毛皮をまとい、聖母の足もとには白い布を敷いた揺りかごが置かれている。背後には木々の茂る小高い丘があり、右には遠くまで光る風景が開けている。

技法・様式

国立新美術館の展覧会の音声ガイドによれば、本作はもともと、ルーヴル美術館の《豊穣》、または《ケレス》と呼ばれる絵と組になって、持ち運べる小型の祭壇画をつくっていた。古代の豊穣の女神ケレスの彫像を描いた絵が覆いの役目を果たし、これを横にずらすと聖家族の絵が現れる仕組みだった。両作は、ラファエロの最も有能な弟子だったジュリオ・ロマーノが、師の構想にもとづいて大部分を描いたと考えられている。

来歴

同じガイドによれば、注文主はラファエロの重要な後援者だったビッビエーナ枢機卿ベルナルド・ドヴィーツィだった。ケレスの彫像は、ウィーン美術史美術館にある古代の名高いウェヌス像に着想を得て、大きな豊穣の角を片腕に抱えており、これは枢機卿の紋章に豊穣の角があしらわれていたことと結びつけられる。館の記録は、ビッビエーナ枢機卿、バルダッサーレ・カスティリオーネ、オワロンのクロード・グフィエを疑問符つきで旧蔵者に挙げ、1662年にパリのロメニー・ド・ブリエンヌ伯の収集にあったとする。1665年にルイ14世が伯から購入し、1683年の王室の目録にラファエロの作として記された。

意義

館の記録によれば、本作は2012年にマドリードのプラド美術館とルーヴル美術館で開かれた「晩年のラファエロ」展や、2024〜2025年のリール美術館の「ラファエロ体験」展にも出品された。2026年の東京の展覧会では、覆いの役目を果たした《豊穣》と同じ番号の組として並べて紹介されている。