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《ヴァッレ・ロミータの多翼祭壇画》

Polittico di Valle Romita
《ヴァッレ・ロミータの多翼祭壇画》ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
Wikimedia Commons / ブレラ美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ
制作年
1408年
素材
板 / テンペラ・金
寸法
280 × 250 cm
所蔵
ブレラ美術館 (153-174-175; 178-179-1229; 1230-1231 ほか)
流派
ゴシック
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中央では、金色に輝く光の輪の上でキリストが聖母に冠を授け、その下で天使たちが楽器を奏でる。左右には花の咲く草地に4人の聖人が立ち、上段の小さな画面には荒野で祈る洗礼者ヨハネらが描かれる。

概要

《ヴァッレ・ロミータの多翼祭壇画》(伊: Polittico di Valle Romita)は、イタリアの画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノが1408年ごろに描いた、板にテンペラの多翼祭壇画である。ミラノのブレラ美術館が所蔵し、館の題は《聖人たちと聖母戴冠(ヴァッレ・ロミータの多翼祭壇画)》。9枚の板からなり、ウィキペディアの各言語版によれば、額を含めた全体は縦およそ280センチ、横およそ250センチ。所蔵館によれば、板の大きさは中央が縦157.2センチ・横79.6センチ、下段の左右が縦117.5センチ・横40センチ、上段の小さな板が縦48.9センチ・横37.8センチである。

画面の読み解き

所蔵館によれば、中央では、画家が星々の上の金色にきらめく光の輪として思い描いた天上で、聖母の戴冠が行われ、天使の楽団が楽器を奏でる。左右の板の聖人たちは光輪に名を記され、植物学的な正確さで描かれた花いっぱいの草地に立つ。日本語版ウィキペディアによれば、左から教会の模型を手にした聖ヒエロニムス、アッシジの聖フランチェスコ、聖ドミニクス、マグダラのマリアである。上段の4枚には、荒野で祈る洗礼者ヨハネ、ヴェローナの聖ペトルスの殉教、書物を読むフランシスコ会の聖人(パドヴァの聖アントニウスか)、聖痕を受ける聖フランチェスコが描かれる。

技法・様式

板にテンペラと金で描かれる。イタリア語版ウィキペディアによれば、中央の板の下に「GENTILIS DE FABRIANO PINXIT」の署名がある。金の地には光の筋が直接刻まれ、衣の飾りは石膏で盛り上げて浮き彫りのように表される。キリストの衣は銀箔の上に描かれ、マグダラのマリアが指先に持つ香油壺は、描かずに金に刻み込まれている。所蔵館によれば、聖人たちは当時の宮廷で流行した豪華な衣をまとう優雅な人物に変えられ、しなやかな輪郭は15世紀初めの美の理想にかなう。こうした様式はジェンティーレの金地のゴシック様式をよく示し、自然の細部の入念な描写はミケリーノ・ダ・ベソッツォに由来する。

来歴

所蔵館によれば、祭壇画はおそらく18世紀にはすでに解体されていた。1811年、ファブリアーノ近郊のサンタ・マリア・ディ・ヴァルディサッソのフランシスコ会原始会則派の隠修所が廃止されたのに伴い、大きな5枚がブレラに入った。小さな4枚は1901年に個人の収集から購入された。注文主としては、1406年にこの修道院を修復させて自らの墓所に選んだファブリアーノの領主キアヴェッロ・キアヴェッリとする説が有力で、そうであれば制作は、画家がマルケを離れてブレシアのパンドルフォ・マラテスタに仕えた1414年までとなる。日本語版ウィキペディアによれば、ブレラで板が組み直され、ネオ・ゴシック様式の額は1925年に作られた。

意義

所蔵館は、ジェンティーレを生前のイタリアで最も名高い画家の一人とし、豪華な素材と細部の自然な描写で人々の目を奪ったと述べる。日本語版ウィキペディアによれば、本作はウフィツィ美術館の《東方三博士の礼拝》と並び、画家と国際ゴシック様式の最も重要な作品とされる。イタリア語版ウィキペディアによれば、1991年にこの祭壇画と結びつけられた同じ画家の《磔刑》(ブレラ美術館)は、もとは上段中央の尖頂部にあったともいわれる。