パウル・クレーが1919年に編み出した、線描を写し取る技法。ニューヨーク近代美術館の図録によれば、薄い透写紙の片面に印刷用インクや油絵具を塗って複写紙のようにし、その上に素描を置いて針でなぞると、下に敷いた紙に線が写る。手の圧で紙の目も写り、こすった跡や偶然の地の模様も一度きりの版のように写し取られる。ツェントルム・パウル・クレーは、素描を絵画と対等な作品とみたクレー自身が生んだ版画的な技法とする。例に《新しい天使》や《さえずる機械》がある。