
トマス・エイキンズの自画像(1902年)
Wikimedia Commons / Public domain- 生没年
- 1844–1916年
- 国籍
- アメリカ合衆国
- 様式
- 写実主義
トマス・エイキンズ
1844年にフィラデルフィアで生まれ、1916年に没したアメリカの画家。パリでジェロームに学び、ボート競技の絵や手術の場面、率直な肖像画で、人体とその姿を描き続けた。
略歴BIOGRAPHY
生涯
メトロポリタン美術館の解説(H・バーバラ・ワインバーグ、2004年)によれば、1844年にフィラデルフィアで生まれ、1862年から1866年までペンシルヴェニア美術アカデミーで学び、ジェファソン医科大学の解剖学の講義にも通った。1866年にパリへ渡り、国立美術学校でジャン=レオン・ジェロームに、短い期間レオン・ボナに学ぶ。3年近いフランス滞在とスペインでの冬を経て、1870年7月にフィラデルフィアへ戻った。1876年から同アカデミーで教えたが、裸体のモデルを授業の要とするやり方は当時の良識とぶつかり、1886年1月、男女の学生の前でモデルの腰布を外して筋肉を示したことが抗議を呼んで、辞職を求められた。1916年6月25日に没した。
様式の変遷
同じ解説によれば、帰国後は自身も親しんだボート競技などの運動の場面と、薄暗い室内の女性や子どもの内省的な姿を描いた。大作《グロス・クリニック》(1875年)には1年近くを費やし、翌年のフィラデルフィア万国博覧会で議論を呼んだ。1887年からはほとんど肖像画だけを描き、多くは等身大で、戸外の光を退けてモデルを孤立させた。館は、その肖像にはホイッスラーやサージェントの華やかさから遠い、探るような率直さがあるとする。1898年から翌年には、20年ぶりにボクシングやレスリングの場面に取り組んだ。
代表作
《スカルの中のマックス・シュミット》(1871年、メトロポリタン美術館)、《グロス・クリニック》(1875年)、教え子たちと自身を描いた《深みの水泳》(1885年、エーモン・カーター美術館)がある。
影響
メトロポリタン美術館によれば、「アメリカで最も偉大で妥協のない写実主義者」と評される。没後の1917年11月に同館が60点の絵画による追悼展を開き、ペンシルヴェニア美術アカデミーも139点の展覧会で続いた。1930年代の初めには、アメリカで最も偉大な画家の一人とみなされるようになり、その評価は今日まで続いている。