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《石工の仕事場》

The Stonemason's Yard
《石工の仕事場》カナレット
Wikimedia Commons / ロンドン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
カナレット
制作年
1725年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
123.8 × 162.9 cm
広告

朝日の差す広場に白い石材が散らばり、石工たちがのみを振るう。左では転んだ幼子に母親が駆け寄り、右の小屋の前では女が井戸の水を汲む。広場の先には大運河が流れ、対岸に聖堂と高い鐘楼がそびえる。

概要

《石工の仕事場》(英: The Stonemason's Yard)は、ヴェネツィアの画家カナレットが1725年頃に描いた油彩画である。縦123.8センチ、横162.9センチ。修理工事のあいだ石工の作業場となったヴェネツィアのサン・ヴィダル広場と、大運河の対岸のサンタ・マリア・デッラ・カリタ聖堂を描く。ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵し、館はカナレットの傑作の一つ、初期の最も優れた作品の一つとする。

画面の読み解き

館によれば、時は夜明けの直後で、東から日が昇り、左の窓辺では雄鶏が鳴いている。手前に散らばるイストリア石の塊に、石工たちがのみを振るう。広場はふだん石工の仕事場ではなく、近くのサン・ヴィダル聖堂の修理のあいだ、一時的に作業場になったらしい。左では、後ろ向きに転んだ幼子に母親が駆け寄り、姉と、窓から寝具を干す近所の女が見守る。右の家のバルコニーでは女が糸を紡ぎ、木の小屋のそばでは別の女が、今も広場に残る井戸から水を汲む。運河の向こうでは、ゴンドラ漕ぎが最初の客を待ち、女たちが洗濯物を干している。

技法・様式

キャンバスに油彩で描かれる。館によれば、カナレットは2階のバルコニーほどの高さから眺め、ほかの多くの作品のように地形を変えたり、いくつかの視点を組み合わせたりはしていないらしい。準備の素描や同じ構図の別の版は見つかっていない。1720年代の半ばから後半の作らしく、画面の一部にれんが色の地塗りを使い、上の絵の具の層に豊かさと強さを与えている。崩れかけた漆喰、むき出しのれんが、粗い木材は、茶・黄土・赤・ピンクで、質感をなぞるような筆づかいで描き分けられ、風にはためくカーテンや遠くの洗濯物には、明るい白のインパストが置かれる。様式も高さも違う建物、生き生きした人物、光と影の交替は、画家が若い頃に父と描いた舞台装置を思わせるという。

来歴

館によれば、早い時期の所在はわかっておらず、地元のヴェネツィア人のために描かれたとする説がある。1808年6月までに、ナショナル・ギャラリーの創設を後押しした収集家ジョージ・ボーモント卿の手に渡った。ボーモントは1823年に館のために本作を寄贈し、1828年に館へ移された。館に入った最初のカナレット作品である。所蔵番号は NG127。

意義

館によれば、名高い広場や名所を広く見渡す「絵はがき」のような眺めを好んだ旅行者には、この大運河の裏手の眺めは好まれなかっただろう。カナレットがのちに名を上げるのは、そうした名所のヴェドゥータである。景色は画家の時代から大きく変わり、サンタ・マリア・デッラ・カリタの鐘楼は1744年に倒れて再建されず、聖堂と同信会館は今ではアカデミア美術館になっている。