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《赤い葡萄畑》

Красные виноградники в Арле. Монмажур
《赤い葡萄畑》フィンセント・ファン・ゴッホ
Wikimedia Commons / プーシキン美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
フィンセント・ファン・ゴッホ
制作年
1888年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
73 × 91 cm
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白く燃える夕日の下、真っ赤に色づいた葡萄畑で人々が身をかがめて実を摘む。右手には夕日を映して黄金色に光る水の流れがあり、奥には荷車と家並みが小さく見える。手前の土は紫や青に沈んでいる。

概要

《赤い葡萄畑》は、フィンセント・ファン・ゴッホが1888年11月の初めに描いた油彩の風景画で、モスクワのプーシキン美術館が所蔵する。館の題は《アルルの赤い葡萄畑、モンマジュール》。館の記録では、キャンバスに油彩で、縦73センチ、横91センチ。所蔵番号はЖ-3372。館は本作を、画家の作品のなかでも最も重要なものの一つとし、ゴッホの生前に買われたことが文書で確かめられる唯一の作品だと述べる。2021年の館の紹介では、館の19〜20世紀ヨーロッパ・アメリカ美術のギャラリーの中心的な作品の一つとされている。

画面の読み解き

館の作品解説によれば、本作はアルル近郊のモンマジュール修道院のあたりで、葡萄の収穫のさなかに描かれた。画面の右上には白い円盤のような夕日が浮かび、空と遠くの畑を黄に染める。斜めに奥へ延びる葡萄畑は赤や橙に燃え、そのなかで青や緑の服の人々が身をかがめて実を摘んでいる。日傘をさした人の姿も見える。右手には夕日を映す水の流れがあり、その岸でも人が身をかがめて働いている。奥には荷車を引く馬と家並み、左上には青緑の木立が描かれる。館は、ありのままの風景がここでは寓話の性格を帯び、収穫する人々の小さな姿は、画家が日々の骨の折れる労働として理解した人生の象徴になっていると述べる。

技法・様式

館の修復部の特設頁によれば、ゴッホは、薄く半ば透ける筆づかいで光と世界をありのままに見せようとした同時代の画家たちと違い、人の目にはとらえられない姿で太陽を描いた。くっきりした輪郭をもつ燃える円盤がまわりのすべてを焼き尽くし、画面の下の方の葡萄の蔓が青や紫、黒でさえ塗られているのは、太陽に灰にされた世界だからだという。空と太陽の一部では絵の具がきわめて厚く、画家はチューブから直接キャンバスに絵の具を絞り出し、筆だけでなく自分の指も使ったと考えられる。黄色の絵の具は紫外線で暗くなるクロム酸鉛で、100年前の本作はいっそう鮮やかだったとされる。高い地平線は晩年の作品の特徴で、日本美術の影響と結びつけられることが多いという。

来歴

館の作品解説によれば、本作は1890年にブリュッセルで開かれた象徴派の展覧会に出品され、色彩の力と不安を帯びた感情で注目を集めた。展覧会の直後、ベルギーの画家アンナ・ボックが350フランで購入している。館の来歴では、のちにモスクワの収集家イワン・モロゾフの収集に入り、1919年からは国立近代西洋美術館にあった。1948年にプーシキン美術館に移った。2021年の館のニュースによれば、それ以来本作は一度も館を離れていない。

意義

館は2021年、本作の調査と保存の事業を行い、絵が描かれて130年で初めて、現代の自然科学の方法で調べた。キャンバスの布の特徴と糸の傷み、絵の具の層の蛍光X線分析、地塗りと絵の具の化学組成、のちに加えられた蠟と樹脂の充填剤や黄ばんだ膠の成分が調べられた。館によれば、その結果、画家が本作を描き進めた段階と制作の技法を再現し、作品の保存状態をおびやかす劣化の進み方を明らかにすることができた。