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《グライフスヴァルトの港》

Der Greifswalder Hafen
《グライフスヴァルトの港》カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
Wikimedia Commons / ベルリン旧国立美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ
制作年
1818–1820年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
90 × 70 cm
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金色に染まる夕空の下、帆をたたんだ大きな帆船が港に錨を下ろす。奥には教会の塔が並ぶ町のシルエットがかすみ、手前の岸辺では漁師たちが小舟と網のそばで働く。

概要

《グライフスヴァルトの港》は、ドイツの画家カスパー・ダーヴィト・フリードリヒが1818年から1820年頃に描いた油彩の風景画で、ベルリン旧国立美術館が所蔵する。ベルリン国立美術館群の目録では、キャンバスに油彩で、縦90センチ、横70センチ。所蔵番号はA II 356。館の解説によれば、バルト海に面した大学と港の町グライフスヴァルトはフリードリヒの生まれ故郷で、画家は生涯この町と強く結ばれていた。親族を訪ね、あるいは素描をしながらバルト海沿岸を歩くために、たびたびここへ戻ったという。

画面の読み解き

館の解説によれば、画面の中央には、漁師の舟とは違って遠い海や大洋を渡ることを使命とする、ひときわ見事な大きな帆船が置かれている。帆はたたまれ、一艘の漕ぎ舟がこの船を錨地へ導いている。町のシルエットは、グライフスヴァルトのマリエン教会、ニコライ教会、ヤコビ教会の輪郭を地形どおり正確に描き、その前に船の帆柱が空へそびえる。漁師や水夫たちの地上のいとなみの上に、夕暮れの空が金色にきらめく果てしない広がりとなって立ちのぼる。画面の手前の岸辺では、男たちが小舟や網のそばで働いている。

技法・様式

館によれば、作品は絵画技法の面から調べられた。赤外線反射撮影によって、中景と背景にはフリードリヒの下描きが見つかったが、前景には下描きが確かめられなかった。これは、手前の岸辺の3人の人物と舟がフリードリヒ自身の手によるものではないという、たびたび述べられてきた見方を裏づけるかもしれないという。館は、その根拠としてK・メースルの2021年の博士論文を挙げている。

来歴

館の目録によれば、本作はグライフスヴァルトの枢密法律顧問官グスタフ・ルートヴィヒ・キルヒホフ(1828〜1904年)、ヨハンナ・ルイーゼ・キルヒホフを経て、ヴァルネミュンデの退役海軍少将グスタフ・キルヒホフ(1863〜1945年)が所有した。1919年11月29日、ナショナルギャラリーが彼から購入した。当時の館長ルートヴィヒ・ユスティは、2年後の1921年に出した所蔵品の本で、「この絵のひそかな音楽は、船の内なる生命を感じとったときに初めて開かれる」と述べ、一見そっけなく写された形のなかに熱情と憧れと夢想が息づいていると称えた。

意義

館の解説によれば、グライフスヴァルトは、フリードリヒにとって幼い日の痛ましい経験の場でもあった。7歳で母を亡くし、13歳のときには1歳年下の弟クリストッフェルがスケート中に目の前で溺れた。フリードリヒの絵に出ていく船、帰ってくる船、錨を下ろした船が描かれるのは、危険や不確かさ、そして終わりのある人生の旅のたとえとしてであり、本作もその一つだと館は述べる。