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《神秘の降誕》

Mystic Nativity
《神秘の降誕》サンドロ・ボッティチェッリ
Wikimedia Commons / ロンドン・ナショナル・ギャラリー / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
サンドロ・ボッティチェッリ
制作年
1500年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
108.6 × 74.9 cm
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わらぶきの屋根の下で、幼子キリストが聖母へ手を伸ばす。金色に開いた天では12人の天使が輪になって踊り、手前では天使と人が抱き合って、足もとの岩の割れ目へ小さな悪魔が逃げ込む。

概要

《神秘の降誕》は、イタリアの画家サンドロ・ボッティチェッリが1500年に描いた油彩画で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーが所蔵する。館の記録では、カンヴァスに描かれ、縦108.6センチ、横74.9センチ。署名と年記、銘がある。所蔵番号はNG1034で、館の第60室に16世紀スペインの額に入って展示されている。館は本作を、キリストの誕生を地上での神の栄光ある顕現としてたたえる、ボッティチェッリの比類のない色彩豊かな絵とする。

画面の読み解き

館の解説によれば、出来事は森の中の空き地で起こる。福音書がキリストの生まれた場所とする馬小屋は、岩の洞窟の口にかけたわらぶきの屋根として想像豊かに描かれた。幼子キリストは聖母マリアへ手を伸ばし、天使に導かれてきた左の三博士にも右の羊飼いにも気づかない。金色の天の円天井は開いて地上から見えるようになり、そのまわりを12人の天使が、巻物を絡ませ冠を吊したオリーブの枝を手に、踊るように巡る。画面には、平和の象徴であるオリーブの枝を持った天使が20人も描かれている。

技法・様式

館によれば、生まれたばかりのキリストにおける神と人との出会いは、手前で踊るように抱き合う3組の天使と人によって象徴的に表され、彼らはリズミカルな帯をつくる。目に見えない考えを人の姿で示すこの表し方は、寓意画の手法に通じる。その足もとでは、翼のある悪魔や角の生えた小さな鬼たちが、岩の割れ目から地下の世界へ逃げ込もうとしている。降誕図では珍しいこの光景が、上端の銘とともに、ボッティチェッリの神秘的な創作を理解する鍵になるという。

来歴

館の記録によれば、本作はローマのアルドブランディーニ荘にあった。1811年と1837年のロンドンでのウィリアム・ヤング・オトリーの売り立てを経て、1847年にスタンステッド・ホールのW. フラー・メイトランドが購入した。1857年のマンチェスターでの展覧会などに出品され、1878年に館がフラー・メイトランドから購入した。

意義

館の解説によれば、上端のギリシア語の銘は「イタリアの災い」に触れている。これはおそらく、1494年にナポリを、1499年にミラノを奪ったフランス軍の侵攻と、フィレンツェ自体の内紛を指す。ボッティチェッリはこれらを、異邦人による聖都の侵入と悪魔の解放を記す『ヨハネの黙示録』11章と結びつけた。キリストの再臨によって混乱の時代は終わり、悪魔はこの絵のように地下に葬られる。銘の終末的な内容は、1490年代からフィレンツェで人々を沸かせ、1498年に公開処刑された説教師ジローラモ・サヴォナローラの教えを反映しており、ボッティチェッリはその熱心な支持者だったと考えられている。館は、霊的な導き手を失った画家が、この絵で平和の実現と神と人との和解を待ち望んでいると述べる。