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《乾草車の三連祭壇画》

El carro de heno
《乾草車の三連祭壇画》ヒエロニムス・ボス
Wikimedia Commons / プラド美術館 / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ヒエロニムス・ボス
制作年
1512–1515年
素材
板 / 油絵具
寸法
147.1 × 224.3 cm
所蔵
プラド美術館 (P002052)

中央では、山のように乾草を積んだ荷車に人々が群がり、梯子や熊手で乾草を奪い合う。荷車の上では男女が楽を奏で、悪魔たちが車を地獄へ引いていく。左翼には楽園と堕落、右翼には燃える地獄が描かれ、雲の上からキリストが見下ろす。

概要

《乾草車の三連祭壇画》(西: El carro de heno)は、ネーデルラントの画家ヒエロニムス・ボスが1512年から1515年ごろに描いた油彩の三連祭壇画である。所蔵するマドリードのプラド美術館によれば、枠を含めて縦147.1センチ、横224.3センチ。日本語版ウィキペディアによれば、中央パネルは縦135センチ、横100センチ、両翼は各45センチ幅で、エル・エスコリアル修道院には複製がある。

画面の読み解き

所蔵館によれば、左翼には反逆天使の墜落が描かれ、天使たちは怪物のような混成の生き物に変わっていく。その下にエバの創造、蛇の誘惑、アダムとエバの楽園追放が続く。中央では、人類が乾草を積んだ荷車の後を追う。地上のものの移ろいやすさを説く旧約聖書イザヤ書の一節と、「人はみな取れるだけ取る」というフランドルの諺を絵にしたものである。雲の上から贖い主キリストが見守るなか、聖職者を含むあらゆる階層の人々が乾草をつかもうとし、前景では日々の暮らしが続く。悪魔たちが車を地獄へと引き、先頭では教皇と皇帝、王と公爵が群衆を率いる。荷車の上では音楽を伴って色欲が勝ち誇る。右翼の地獄はまだ建設中で、悪魔たちが円い塔を築き、梯子で資材を運び上げ、新たな罪人が次々と罰を受けに送られてくる。

技法・様式

板に油彩で描かれる。所蔵館によれば、下描きはすばやく図式的で、配置の移動や修正のほかに大きな変更は少ない。両翼を閉じた外側には、盗賊から逃れ、杖で犬を追い払いながら重い籠を背負って橋を渡るぼろ服の行商人が描かれる。笛を吹く羊飼いと踊る男女は色欲を暗示し、下描きにあった十字架はのちに小さな祭壇に描き替えられた。祭壇画の形式で、堕落から罰までを一続きの物語として見せている。

来歴

所蔵館によれば、作品の成り立ちははっきりせず、最初の記録は1636年のマドリードのアルカサルの目録である。1788年にはカサ・デ・カンポにあり、ナポレオン戦争の時期に分かれた。左翼は1839年にプラド美術館に入った。中央パネルはサラマンカ侯の収集を経て1848年にイサベル2世が手に入れ、アランフエスからエル・エスコリアルに移った。右翼とともに1914年にアルフォンソ13世から同館に譲られ、以後三連祭壇画はそろっている。所蔵番号はP002052。フェリペ2世が1570年にフェリペ・デ・ゲバラの相続人から買った別の版はエル・エスコリアルにあり、技術調査で本作の模写と判明した。

意義

所蔵館によれば、本作は罪と物欲を戒め、悪を避けるだけでなく、生涯を通じて地上の財を捨てるよう説いている。日本語版ウィキペディアは、ボスの最も有名な絵画の一つとする。