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《聖母マリアの少女時代》

The Girlhood of Mary Virgin
《聖母マリアの少女時代》ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
Wikimedia Commons / テート / Public domain 拡大して見る ⌕
PLATE
作者
ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ
制作年
1848–1849年
素材
キャンバス / 油絵具
寸法
83.2 × 65.4 cm
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刺繍台に向かう灰色の衣の少女マリアと、手もとを見守る赤い頭巾の母アンナ。窓の外では父ヨアキムがぶどうを手入れし、格子に光輪の鳩がとまる。左では幼い天使が百合の鉢に手を添え、床に棕櫚の葉と茨が置かれる。

概要

《聖母マリアの少女時代》は、イギリスの画家ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティが1848年から1849年に描いた油彩画で、ロンドンのテート・ブリテンが所蔵する。館の記録では縦83.2センチ、横65.4センチのキャンバスで、所蔵番号はN04872。館によれば、ロセッティが20歳で仕上げた絵で、ラファエル前派兄弟団の頭文字「PRB」を記して展示された最初の作品である。左下に「DANTE GABRIELE ROSSETTI / P.R.B. 1849」の署名がある。

画面の読み解き

館の展示解説によれば、キリストの母マリアが少女の姿で描かれ、母とともに刺繍に取り組んでいる。マリアのモデルはロセッティの妹クリスティーナ、母アンナは画家の母フランシスが務めた。奥では父ヨアキムがぶどうの木を手入れしている。絵はキリスト教の象徴に満ちており、床の棕櫚の葉と茨はキリストを、積み重ねた本は希望・信仰・慈愛などの徳を、光輪をいただく鳩は聖霊を表す。館の作品の主題の分類は、天使が手を添える百合を純潔の、窓辺のランプを敬虔の象徴としている。研究資料のロセッティ・アーカイヴによれば、ヨアキムのモデルはロセッティ家に雇われていた老ウィリアムズだった。

技法・様式

ロセッティ・アーカイヴによれば、友人の画家ウィリアム・ベル・スコットは、ロセッティが水彩用の筆で、白い下地を厚紙のように滑らかに塗ったキャンバスに、水彩のように薄く透明に油絵具を重ねていたと書き残している。もとの額にはロセッティが象徴を説明する自作のソネットを記し、二つめのソネットは展覧会の目録に載った。1864年、当時の所有者から絵を戻されたロセッティは、天使の翼を白から濃い桃色に、マリアの袖を黄色から茶色に描き直し、額も角の丸いものから長方形のものに替えた。二つのソネットは今、絵の下の額に並んで記されている。

来歴

ロセッティ・アーカイヴによれば、ロセッティは仲間のハントやミレーと同じく、ロイヤル・アカデミーの春の展覧会に出すつもりだったが、直前に考えを変え、1849年3月に先に開いた審査のない「自由展」に出品した。絵はバース侯爵未亡人が買い、その娘レディ・ルイーザ・フィールディングに贈られた。1885年に収集家ウィリアム・グレアムが買い、その娘レディ・ジキルに伝わった。館によれば、1937年にレディ・ジキルの遺贈で館の所蔵となった。

意義

ロセッティ・アーカイヴは本作を、絵とそれを説く詩が一体となった、ロセッティの「二重の芸術作品」の典型とする。「PRB」の頭文字は、イギリス美術に新しい動きが現れたことを暗号の形で告げるものだった。館は本作を、2003年から2004年のリヴァプールとアムステルダムの回顧展、2012年の「ラファエル前派――ヴィクトリア朝の前衛」展、2023年の「ロセッティ家の人々」展などで紹介している。翌年の受胎告知の絵《見よ、我は主のはしためなり(受胎告知)》でも、ロセッティは妹をモデルに若いマリアを描いた。